経理業務のデジタル化進展と請求書処理の現状とは
経理業務の重要性は年々増しており、それに伴い請求書処理の効率化も急務となっています。株式会社インボイスが発表した調査レポートでは、約400人の経理担当者を対象に、請求書仕訳業務の実態を徹底的に分析しました。これにより、経理業務が抱える現状や課題が浮き彫りにされています。
調査の目的と内容
このレポートの主な目的は、経理業務における請求書処理の実態を把握し、会計処理や入力作業における問題点を洗い出すことです。調査では、会計処理の手法、作業の負担、確認体制、紙と電子の混在など、経理業務に関する多岐にわたる設問が投げかけられました。参加者からのリアルな声をもとに、図解を交えた内容で、業務の理解を深められるよう工夫されています。
入力方法の現状
調査結果によれば、会計システムへの請求書入力方法については、「請求書や支払依頼書から直接入力」が最も多く、全体の57.1%を占めました。次に「Excel等で前捌きをしてから入力」が28.3%、「併用している」が9.7%という結果が得られました。手動による直接入力に依存している企業が多いことが明らかになりましたが、同時に業務の性質や社内体制に応じた運用の多様化も進んでいることが感じられます。
確認項目の重要性
請求書には確認すべき重要な項目がいくつかあり、アンケートによれば「請求金額」が91.4%で最も多く選ばれました。その後、「取引先名(役務の提供者)」が82%、そして「請求発行日」が69.7%という結果が得られました。これらは仕訳や支払処理に直結する重要な情報であり、当然の結果と言えます。しかし、「適格請求書の有無」については54%と、インボイス制度施行から時間が経過しても確認率が半数に達していないことが懸念されます。これは、制度への対応が経理現場で十分に浸透していないことを示唆しています。
確認が必要な勘定科目
報告書では、仕訳入力時に確認が必要とされる勘定科目についても調査が行われました。最も多く選ばれたのは「接待交際費」で、続いて「旅費交通費」や「消耗品費」が上がってきており、これらの項目は確認が必要であることが理解されました。また、「会議費」や「雑費」など比較的自由度の高い費目でも、分類基準や記載内容のあいまいさから、判断に悩むケースが多いことが示されました。
DXによる業務改善の必要性
受領請求書にまつわる業務上の課題は多岐にわたり、デジタル化による自動化が難しい工程もあれば、知識や見解の不足から発見されない問題も存在します。今回の調査結果は、業務課題への理解を深める良い基盤となります。企業の経理業務を見直し、より効率的な運用を目指す契機にしていただければと思います。
経理業務の効率化やデジタル化は今後の企業の成功に欠かせない要素となるでしょう。ぜひ、最新の調査レポートを参考にし、自社の業務運営の改善に役立ててください。
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企業の紹介
株式会社インボイスは1992年に設立され、2018年には芙蓉総合リースのグループ会社となりました。通信費や水道光熱費の一括請求サービス「Gi通信」「OneVoice公共」を提供し、法人向けの経理や情報システム部門へのBPOサービスの拡充に努めています。