株式会社ユーリアが広島市立大学に開発拠点を設立
株式会社ユーリア(本社:愛知県名古屋市)は、2024年冬から広島市立大学に新たな開発拠点を設置することを発表しました。この拠点の設立は、広島県が主催する実証支援プログラム「サキガケプロジェクト」の一環として行われ、同大学との産学共同研究を通じて、健康診断の革新を目指します。
尿検査キットの進化
これまでユーリアは、尿を用いて体の栄養状態を2分で測定できる「栄養コンディションチェッカー」を開発し、2024年9月から全国のドラッグストアで販売を開始します。この検査キットは、試験紙に尿をかけ、スマートフォン専用の無料アプリで撮影することで、独自の栄養AIが結果を判定する仕組みです。
今後、広島市立大学の医用情報科学専攻において、ユーリアのCOOである萩原啓太郎氏が、アミノ酸研究の専門家である釘宮章光准教授と共同で尿中のアミノ酸濃度を分析し、より詳細な健康状態のチェックを可能にする新たなキットの開発を進めていく予定です。
研究の背景と目的
広島市立大学には尿分析装置が完備されており、尿中の栄養素を精密に測定することができます。このデータを基にした最先端の研究が行われており、これがユーリア社の開発拠点設立の理由です。ここで得られる知見は、「栄養コンディションチェッカー」のさらなる進化に寄与し、数年後の新しい検査キットの完成を目指して研究開発が進む予定です。
尿による健康診断の重要性
釘宮准教授は、「家庭で健康状態を確認できるこの技術が実現すれば、病気が重症化する前に自分の体の状態に気づくことが可能になります」と述べています。普段からの健康意識を高めることで、重症化を防ぎ、医療費削減にも寄与することが期待されます。また、この技術は「食と健康」など、広い分野での応用が可能です。
2024年の未来を見据えて
ユーリア社の萩原COOは、尿中のアミノ酸を調べることが、疾患の早期発見につながると強調しています。アミノ酸の含有量が異常になることで病気が示す兆候を捉えることができる可能性があるため、医療現場への提供を目指して研究を推進するとのことです。
この新たな取り組みは、ユーリアと広島市立大学の知見と技術を融合させ、未来の社会における健康管理を一変させる可能性を秘めています。ユーリア社が展開する「すぐわかるを、もっと身近に」という理念のもと、尿から解析された体の状態を,即時にサポートできる未来に期待が寄せられています。
ユーリア社について
株式会社ユーリアは、尿検査技術の先駆けとなる企業で、東京大学とも共同研究を行っています。尿から体の状態を簡単に知るためのスマートフォンアプリを開発し、幅広い健康管理に対応しています。ヘルスケアの未来を切り拓くユーリアの新たな挑戦に注目です。