東京電機大学工学部新設の「とんがりAO入試」
東京電機大学(以下、電機大学)の工学部が、2023年より導入した新たな選考方式「総合型選抜(とんがりAO)」の合格者が本日発表されました。この革新的な入試は、工学部が求める特有の資質を持つ受験生を対象とした独自の方式で、従来の選抜方法とは一線を画しています。
新たな選抜方式「とんがりAO」
「とんがりAO入試」は、電機大学独自のアドミッション・ポリシーを具体化したもので、応募者は20項目にわたる「とんがり要件」を満たすことが求められます。これは、高校の学業成績だけでなく、工学部が重視する「独特な個性や経験」を明示し、特に情熱を持って取り組んできた分野での新しい視点を求めるものです。
これにより、工学を学ぶ意欲的な受験生を惹きつけることが目的とされており、特に「とがった」素養を持つ若者との接点を強く求めています。この考え方は、電機大学の学長である射場本忠彦氏によっても支持されています。
合格者の選考結果と反響
第一次選考では、書類審査を通過した26名の受験生が、第二次選考であるプレゼンテーションおよび面接に臨みました。その結果、15名が見事合格を果たしました。面接を担当した教員たちからは、「寝食を忘れものづくりに熱中している姿が印象的だった」「まさに『博士ちゃん』のような素晴らしい個性を持つ受験生に出会えた」といった感想が寄せられ、従来の入試では得られない手応えを感じたと報告されています。
一方で、「とんがり要件」の一部は応募者にとって理解し難い部分もあったようで、これが受験生の不安要素となった可能性もあるとの意見もあがっています。これは、今後の改善点として大学側が検討する項目です。
次年度に向けた展望
電機大学では、「とんがりAO入試」に関して今後も継続的な実施を計画しています。初回の運用から得た反省点を踏まえ、特に「とんがり要件」についてはさらなる見直しを行い、次年度の選抜をよりスムーズに進めることを目指しています。
大学は、受験生と教員が出会う新たな接点を模索し、「とがった人材」を積極的に応援する姿勢を持ちながら、更なる発展を目指すとしています。
今後もこの「とんがりAO入試」が多くの新しい才能を発掘し、工学の世界での発展につながることを期待しています。