地域医療の未来を築く「ふるさと診療」2周年の歩み
地域医療を支える新しい取り組みとして始まった「ふるさと診療」事業が、2025年5月に2周年を迎えました。この事業は、医療資源が限られた地域に対し、特にICT(情報通信技術)を駆使した診療体制を構築し、地域医療に貢献する意欲のある医師ネットワークを拡大することを目的としています。これまでの取り組みを振り返り、地域医療の未来について考えてみましょう。
自宅型オンライン診療(DtoP)の導入
2024年10月、防府市において新たに夜間の初期救急医療体制を強化するため、自宅型オンライン診療(DtoP)が始まりました。この診療モデルでは、患者が自宅からスマートフォンを通じて医師とやり取りでき、診療所における長時間の待機や院内感染のリスクを回避できます。このような体制は、身体的・心理的な負担を軽減しつつ、地域の医療関係者とのつながりを保ちながら、方言を交えた温かい診療風景を実現しています。この取り組みは、厚生労働省の調査事業としても評価され、NHK山口放送局でも紹介されるほどの注目を集めています。
来院型オンライン診療(DtoP with N)の実施
続いて、岩国市医療センター医師会病院では、医師・患者・看護師が連携する来院型のオンライン診療が導入されました。このモデルでは、患者が病院に訪れ、看護師がサポートする中で遠隔地の医師との診察が実現します。これにより、迅速検査や点滴処置なども可能となり、地域医療機関が新たな診療の選択肢を提供できるようになりました。ここでも「ふるさと診療ドクター」が活躍し、自らのふるさとに貢献できる機会を得ています。
へき地医療に向けた支援
山間部やへき地におけるオンライン診療や服薬指導の導入を推進するため、複数の手引きが策定されました。「へき地におけるオンライン診療等の手引き」や「へき地等におけるオンライン服薬指導の導入の手引き」は、山口県立総合医療センターと公益社団法人地域医療振興協会との協力により完成しました。この手引きは、地域医療の現場におけるニーズに基づいた実践的な内容となっており、地域関係者との協力体制を整えるための助けとなることが期待されています。
ふるさと診療勉強会の開催
更に、2023年5月から定期的に開催されている「ふるさと診療勉強会」も注目すべき取り組みです。この勉強会は、医師や医療従事者など多様な参加者がオンライン診療の課題解決方法について学ぶ場として機能しています。これまでに1000名以上が参加し、オンライン診療を通じて地元と関係性を保ちたいと考える医師のキャリアプランについても話し合われています。
地域医療を支える医師ネットワーク
さらに、2025年6月 hiện tại、すでに「ふるさと診療ドクター」の登録者数は400名を超えています。これらの医師たちは、ただ診療を行うだけではなく、地域への貢献を望む人々の集まりです。彼らは、オンライン診療のみならず、地域医療の構築や自治体支援など多様な形で活動しており、互いに刺激を受け合うことで新たな関係を築いています。
未来へ向けて
株式会社ジェイエムインテグラルの「ふるさと診療」事業は、地域医療における持続可能な発展に貢献し続ける重要な取り組みです。今後も地域医師ネットワークの拡大や、医療のICT化を進め、地域医療を支える社会的基盤をさらに強化していくことが期待されます。地域医療の未来がどう築かれるのか、私たちはますます注目していきたいと思います。