兼松と出光興産がバイオ混合燃料の供給を開始
企業連携による海運業界の脱炭素化に向けた取り組み
最近、兼松株式会社と出光興産株式会社、さらに兼松グループの兼松油槽株式会社が共同で、外航船舶向けにバイオ混合燃料の供給を始めました。この取り組みは海運業界の脱炭素化を目指すもので、特に温室効果ガスの削減に寄与することが期待されています。
バイオ混合燃料は、重油とFAME(脂肪酸メチルエステル)を混合したもので、従来の船舶燃料と比較して約20%の温室効果ガスを削減できる見込みです。FAMEは使用済みの食用油をメタノールと反応させて製造され、視認性も高く、再生可能エネルギーとしての効果が評価されています。
兼松油槽の役割と供給体制
本取り組みで重要な役割を担うのが、兼松油槽の小倉油槽所です。福岡県北九州市に位置するこの施設では、兼松が調達したFAMEと出光興産が供給する重油をブレンドし、品質確認を経て外航船への燃料供給を行う海上出荷作業が行われます。これにより、海運会社への持続可能な燃料供給が実現します。
さらに、使用されるFAMEはEU基準(EN規格14214)を満たしており、品質面でも安心です。兼松の東京本社は、将来的には国際的な認証制度であるISCC EU認証を取得する予定で、これにより海運会社へのProof of Sustainability(PoS)の発行が可能になります。これは、持続可能な方法で生産・流通されているバイオ燃料であることを証明するものです。
2031年に向けたCO₂削減目標
兼松グループは、2031年3月期までに1,000,000トンのCO₂削減を目指しています。この目標達成のために、サプライチェーンを活用し、持続可能な事業活動を推進する方針です。このような取り組みは、海運業界だけでなく、全体の脱炭素社会の実現に貢献するものと考えられています。
今後もバイオ混合燃料の供給拡大を図り、二国間クレジット制度(JCM)を活用した事業を進めていくことが期待されています。
各社の概要
出光興産株式会社
- - 設立年: 1940年
- - 事業内容: 石油製品、石油化学製品、電子材料の製造・販売
- - 本社所在地: 東京都千代田区
出光興産のウェブサイト
兼松油槽株式会社
- - 設立年: 1959年
- - 事業内容: 石油製品の受払保管業務(重油・軽油・灯油・ガソリンのタンクオペレーション)
- - 本社所在地: 東京都千代田区
兼松油槽のウェブサイト
このように、兼松と出光興産の連携により、持続可能な海運の実現が期待されています。これからもさらなる取り組みに注目していきましょう。