新たな家具シリーズ「SIMPLICITY」と「collage」
建築家の黒川雅之が手がける新ブランド「HERETHERE」から、待望の家具シリーズが発表されました。この新シリーズは、「SIMPLICITY」と「collage」の2つのコンセプトを基に制作され、10月3日から5日までの3日間、麻布台ヒルズ ガーデンプラザのギャラリーで展示販売されます。
デザインの背後にある想い
黒川は、「SIMPLICITY」と「collage」という二つの作品について、次のように語っています。「絞り出すように想いを描いた。それがSIMPLICITYである。鼻歌まじりに気楽に描いたのがcollageである。」彼にとって、これらは真逆な作品でありながら、同時に多くの共通点も持つといいます。この言葉に込められた彼の思考や哲学が、作品のなかに色濃く反映されています。
SIMPLICITYの考え方
「家具の歴史を持たない僕たちは、垂直と水平面をつくることで家具が生まれるのではないかと考えた。」という黒川のコメントが示す通り、彼のデザイン哲学は非常にユニークです。人間は、垂直な構造と水平な面を好む生き物であり、都市の構造や建築、家具のデザインもこの基本から始まります。彼の作品には、人間が自然に感じる「心地よさ」が追求されているのです。
collageの独自性
ソファ「collage」は、XYZの三次元の平面の交点に基づいたデザインが特徴です。X軸、Y軸、Z軸という三つの次元を見立て、それぞれに座、背、腕が設計されています。この多次元的なアプローチは、単なる家具としての機能を超え、アートやゲーム性も探求されています。黒川のデザインは、両義的で多義的な特徴を持ち、さまざまな解釈ができる点に特徴があります。
人の感情に訴えるデザイン
黒川は、ただのデザインを超えたもの、人の感情を揺さぶるような存在を求めています。「デザインの中に生きものの生理的な感覚を探している」と語り、彼の作品が生み出す感覚は、見る人それぞれに新しい視点を提供しています。また、会場での感想を見ながら、さらに彼自身の感性を磨いていくのだといいます。
展示会情報
この特別な展示会は、2025年10月3日(金)から10月5日(日)まで、麻布台ヒルズ ガーデンプラザAB1階のAZABUDAI HILLS GALLERY SPACEにて開催されます。時間は午前10時から午後8時まで。展示期間中は、黒川が在廊する時間についてもインスタグラムでの情報発信が予定されていますので、足を運ぶ際にはぜひチェックしてみてください。
まとめ
「HERETHERE」による新たな家具シリーズは、黒川雅之の独自な視点と深い思考が詰まった作品です。垂直と水平、デザインとアート、ゲームと感情、さまざまな要素が交錯したその魅力を、ぜひ実際に体感してみてください。彼の作品には、新しい視点を提供する何かがあるはずです。