国立映画アーカイブで無声映画の魅力を再発見する上映企画開催！

国立映画アーカイブの新しい試み

国立映画アーカイブでは、2025年11月25日（火）から30日（日）まで、上映企画「サイレントシネマ・デイズ 2025」を開催します。このイベントでは、無声映画の魅力を生の演奏や映画説明者による解説を交えて体感することができます。

無声映画の特別上映

今回の企画は、無声映画祭の形式を用いています。つまり、映画は字幕無しで上映され、その世界を音楽や解説で理解していくスタイルです。特に注目されるのは、ドイツキネマテークとの共同復元プロジェクトにより鮮やかに甦った1924年の作品『除夜の悲劇』のデジタル復元版です。これは国内初上映となるため、多くの映画ファンにも見逃せない作品です。

『除夜の悲劇』は、室内劇映画として知られ、登場人物の細やかな表情やしぐさを映し出し、映像の力を存分に引き出しています。11月26日（水）には、当時の作曲者であるクラウス・プリングスハイムによるオリジナルスコアを再現した上映が行われる予定です。また、30日（日）にはピアノの伴奏付きで上映される回もあります。

齋藤寅次郎の優れた作品も

他にも、この企画では齋藤寅次郎による1930年代の無声映画『明け行く空』がニュープリントで上映される予定です。齋藤は「喜劇の神様」として知られ、その製作した多くの作品が残っていないため、今回の上映は非常に貴重です。この作品はシリアスな内容を持ちながらも、さりげないユーモアが印象的な一作となっています。。そして驚くべきことに、この映画は日本における女性脚本家の先駆けである水島あやめの作品でもあります。

異彩を放つ音楽と弁士

さらに、本上映企画では多彩な弁士や伴奏が揃い、毎回異なるアプローチで無声映画を観客に届けます。例えば、『明け行く空』の上映では、映画説明を佐々木亜希子氏が担当し、永田雅代氏がピアノを演奏します。また、他の作品でも著名な伴奏者たちが参加しており、観客は新しい視点から映画を楽しむことができます。特に、ジャン・グレミヨンの作品『燈台守』の上映時には、エレクトロニック音楽家のPhewが伴奏を担当予定であり、音楽と映像の新たな出会いに期待が高まります。

詳細情報

開催される作品は以下の通りです：

- 『大疑問』(1919) - D・W・グリフィス監督
- 『除夜の悲劇』(1924) - ルプ・ピック監督
- 『ヴァリエテ』(1925) - エヴァルト・アンドレ・デュポン監督
- 『明け行く空』(1929) - 齋藤寅次郎監督
- 『燈台守』(1929) - ジャン・グレミヨン監督
- 『月世界の女』(1929) - フリッツ・ラング監督

これら全ての作品が、国立映画アーカイブ長瀬記念ホール OZUで上映されます。チケットの詳細は公式サイトでご確認の上、ぜひ映画の旅をご体験ください。

お問い合わせ

主催は国立映画アーカイブですが、協力として株式会社橋本ピアノが名を連ねています。公式ホームページ（https://www.nfaj.go.jp/film-program/silent202511）では、さらに詳しい情報を提供していますので、ぜひチェックしてみてください。疑問点があれば、049-5541-8600へお電話ください。