新都ホールディングスとAI基盤の深化
新都ホールディングス株式会社(東京都豊島区)は、2024年9月に米国のSuper Micro Computer, Inc.(以下、Supermicro社)と提携し、AI技術の基盤整備に乗り出しています。この取り組みは日本におけるAIデータセンターの形成を目指し、持続可能なデジタル社会の構築に大きく貢献することが期待されています。
提携の重要性と背景
最近、日本政府は「AI・半導体産業基盤強化フレーム」を発表し、国内のAI技術力向上を促進する国家戦略を打ち出しました。この動きに呼応する形で、当社はSupermicro社および東洋株式会社との間でAI算力設備調達に関する覚書を結びました。これにより、10兆円規模の官民投資を背景に、次世代のAI基盤構築への活動が進んでいます。
一方、HASHCAT社は世界的なGPU算力ソリューションの提供者として知られ、米国のNVIDIA社と連携しています。HASHCAT社の技術力と経験を上手く活かすことで、日本企業の競争力を向上させることを狙っています。
業務提携の具体的な内容
HASHCAT社との業務提携による主な取り組みは以下の通りです:
1.
大規模AI算力センターの設置:HASHCAT社は、日本国内に大規模AI算力センターを設置し、最先端のSUPERMICRO HGX H100/H200シリーズを配置します。
2.
投資計画:初期投資額は約2,000万ドル(約30億円)で、年間収益は2,250万ドル(約33.75億円)を見込んでいます。
3.
データセンターの運営:算力センターは、東京・大阪にある米国EQUINIX社の施設内に設置されます。
4.
リースと配当:HASHCAT社は、算力センターの一部を新都ホールディングスにリースし、当社は年間リース料及び配当収入を見込んでいます。
5.
展示センターの設置:新都ホールディングスは「新都AI展示センター」を設立し、製品展示や運用テスト、顧客の視察を行います。
環境配慮と持続可能な開発
このAI算力データセンターは再生可能エネルギーを利用し、環境に配慮したエコフレンドリーな運営を実現します。また、リサイクルや再利用に注力し、循環型社会の支援に貢献します。
特に注目すべきは、新たに導入されるNVIDIA H100/H200 Tensor Core GPUを使用した高性能なトレーニングと推論の能力です。この技術により、AIモデルの効率的な開発とデータ処理が可能となります。
未来に向けた展望
新都ホールディングスは今後、2030年までに日本のAI基盤の国際競争力を大幅に向上させる計画です。この提携を通じて、持続可能な社会を実現し、顧客には高付加価値なサービスを提供し続けることを目指します。2024年12月15日までには初期算力機器の設置を完了し、その後さらに投資を行い運営体制を整えていく予定です。
このような革新的な取り組みが、日本のAI産業の未来を切り開く重要なカギとなることは間違いありません。新都ホールディングスとそのパートナー企業の動向を今後も注目していきたいと思います。