アドバンテックのTPC-100Wシリーズ、Arm® SystemReady IR認証取得で新たな基準確立

アドバンテックのTPC-100WシリーズがArm® SystemReady IR認証を取得

2024年10月、台湾台北市に本社を置くアドバンテック株式会社は、NXPのi.MX 8M Miniクアッドコアプロセッサを搭載したArmベースのHMI TPC-100WシリーズがArm® SystemReady IR認証を取得したことを発表しました。この認証は、アドバンテックが産業用IoTソリューションの信頼性と標準化に注力していることの証です。これにより、TPC-100Wシリーズが業界標準に適合し、高い互換性を持つことが保証され、産業用IoT技術の展開において重要なマイルストーンとなります。

セキュリティの強化

TPC-100Wシリーズは、セキュアブート機能を搭載しています。これは、不正なコードの実行やファームウェアの攻撃からシステムを防御するための重要な機能です。このセキュリティ対策には、デジタル証明書や非対称暗号化、認証局（CA）を用いた公開鍵基盤（PKI）が採用されています。PKIを用いることで、信頼できるソフトウェアのみがブートプロセス中に実行されることが確認され、悪意のあるコードからの保護が実現されます。現在の産業環境においては、サイバーセキュリティの脅威が常に存在するため、こうした対策により機密データや運用の保護が図られます。

相互運用性と標準化

Arm® SystemReady IR認証は、TPC-100Wシリーズが業界標準に従っていることを強調します。これにより、さまざまなソフトウェアとハードウェアの環境でシームレスな統合が可能になります。この認証の肝となる機能は、UEFI（Unified Extensible Firmware Interface）をサポートしていることです。UEFIを利用することで、ブートプロセスが統一され、互換性の問題を最小限に抑えたIoTの展開が可能になります。

さらに、UEFIに基づく一貫したブートプロセスは、産業用途において必要不可欠な高い稼働率と迅速な復旧を実現します。

オペレーティングシステムの柔軟性

Arm® SystemReady IR認証の取得により、TPC-100WシリーズはLinux YoctoやUbuntu、Debianなどの複数のオペレーティングシステムに対応しています。これは、標準化されたブートプロセスとハードウェアインターフェースの互換性を確保することで実現されており、これにより最小限のカスタマイズで効率的に多様なオペレーティングシステムを実行できます。標準的なLinuxディストリビューションと連携することで、シリーズは既存のエコシステムにスムーズに統合され、自動的にリアルタイムなセキュリティアップデートを受け取れるのです。これにより、開発者は特定のアプリケーションの開発に集中でき、製品の市場投入までの時間を短縮し、クライアントのコストを削減します。

TPC-100Wシリーズのラインナップ

アドバンテックは、7インチ、10.1インチ、15.6インチ、21.5インチの幅広いディスプレイサイズからなる多用途のTPC-100Wシリーズを提供しています。各モデルには、P-CAPマルチタッチコントロール、CAN 2.0プロトコルのサポート、選択可能なPower-over-Ethernet機能が含まれています。また、過酷な環境に適応したTPC-100WXモデルも用意されており、屋外でも視認性の高いディスプレイ、広範囲な温度対応、そして耐衝撃性が求められる条件での使用に対応しています。

ここで紹介した製品型番は、以下の通りです。