会社のコンプライアンス調査結果
近年、企業におけるコンプライアンスの重要性が増しています。特に、従業員数の多い企業においては、その影響力が顕著に現れることがわかりました。
株式会社ロイヤリティマーケティングが行った「勤務先のコンプライアンスに関する調査」では、20~60代の働く男女を対象に、コンプライアンス研修の受講率や理解度、報告体制の整備状況について調査が実施されました。この調査は、TOKYO FMのラジオ番組「馬渕・渡辺の#ビジトピ」との共同企画によって行われました。
調査結果の概要
1. 従業員数と研修受講率の関係
調査結果によれば、勤務先の従業員数が多いほど、コンプライアンス研修の受講率が高い傾向にありました。例えば、従業員数1,000人以上の企業では約70%が「定期的に研修を受けている」と回答しました。これは、研修が企業文化として根付いていることを示しています。
一方、従業員数が50人未満の企業では約4割のみが研修を受けた経験があると回答。これは、リソースや優先順位の違いから来るものでしょう。
2. 報告体制の整備
調査に参加した人々の中で、コンプライアンス違反を「報告しやすい」と感じている人は全体の約54%に達しました。従業員数が多い企業ほど、報告体制が整備されているとの回答が多かったです。特に、1,000人以上の企業では72%が「整備されている」と認識していることが分かりました。
3. 適切な対応への期待
コンプライアンス違反が発生した際、会社が適切に対応すると思うかとの質問に対しては、65.2%が「思う」と回答しました。これは、企業内部の信頼感を示す重要な指標です。ただし、約40%の企業において、コンプライアンスに関する質問や懸念を相談する窓口が存在しないとの回答も見られました。このことは、まだ改善の余地があることを示しています。
4. 不正行為に関する障壁
不正行為を報告する際の障壁として最も多かったのは「不利益を被る可能性がある」という理由でした。これは、従業員の不安を反映しており、企業内の風通しの良さや文化の変革が求められます。また、ハラスメントが最も多くの従業員にとってのリスクとされました。
専門家の見解
この調査について、ラジオ番組のパーソナリティである馬渕磨理子氏は、大企業ほどコンプライアンス意識が高い傾向にあることを指摘しました。その背景には、投資家からの視点と、研修や報告体制の整備があると分析しています。一方、渡辺広明氏は、中小企業におけるコンプライアンス体制の整備が遅れている点を取り上げ、国による支援が必要であると述べました。
結論
今回の調査結果は、企業の規模によるコンプライアンス対応の違いを浮き彫りにすると共に、報告体制や研修の重要性を示唆しています。企業は、従業員が安心して不正行為を報告できる環境を整えることが求められています。そのためには、相談窓口の充実や、不利な扱いを受けない制度の確立が重要です。この調査結果は、今後の企業のコンプライアンス改善の指針となることでしょう。