アスクル、出荷トライアル運用を開始
アスクル株式会社は、2025年10月19日に発生したランサムウェアによるシステム障害の影響から回復するための新たな一歩として、出荷トライアルの運用を開始することを発表しました。このトライアルは、倉庫管理システム(WMS)を使用しない手運用に依存するもので、まずは特定の顧客に向けて行われます。
トライアル運用の概要
2025年10月29日より、アスクルは新木場物流センターとASKUL 大阪DCの2つの拠点から、コピーペーパーやトイレットペーパーなどの37種類の商品を出荷するトライアルを開始しました。この運用では、医療機関や介護施設の一部顧客のみからの注文を受け付けており、今後の進捗によっては対象顧客や商品の拡大も検討しています。注文は全てFAX方式で行われ、すべて「ケース」での販売となります。
アスクルのCEO、吉岡晃氏は「利用者の皆様に多大なご迷惑をお掛けして申し訳ありません。出荷トライアルにより、復旧への道を模索し、最終的には完全なサービス再開を目指します」と述べています。
トライアル運用の詳細
出荷拠点には東京都江東区に位置する新木場物流センターと、大阪市此花区のASKUL 大阪DCが使用されます。実施されるのはコピーペーパーやペーパータオル、トイレットペーパーなど、ビジネス用途の商品のみで、特定のお客様に案内が行われています。ただし、今回のトライアルは通常のサービスレベルとは異なるため、リードタイム等が変わっている点には注意が必要です。
アスクルは、トライアルの結果を基に、さらなるサービスの拡張を検討していくことを表明しています。このトライアル運用は、WMSの復旧に向けた取り組みの一部として位置づけられており、今後の進捗に応じてサービスの本格再開に向けた具体策を講じていくこととなります。
システム障害への対応
現在、アスクルはランサムウェア感染に関連する詳細な情報開示を控えているものの、システムの監視やログ解析を続けているとのことです。個人情報の流出は確認されていないため、引き続き安全識別を徹底し、問題が発生した場合には速やかな通知が行われる予定です。また、個人情報保護委員会や警察などの関係機関にも必要な報告を行っているとのことです。
結論
アスクルの出荷トライアル運用は、障害からの復旧への重要なステップであると同社は考えており、すべての関係者に対して大きな感謝の意を表明するとともに、今後の全面復旧に向けた全力の取り組みを明言しています。今後の進捗に期待が寄せられます。