磯和啓雄氏が2024年CDO賞を受賞
一般社団法人CDO Club Japanは、現地時間2024年12月5日に開催されたCDO Summit Tokyo 2024 Winterにおいて、株式会社三井住友フィナンシャルグループの執行役専務である磯和啓雄氏を「Japan CDO of The Year 2024」に選出したと発表しました。この賞は、最高デジタル・データ責任者(CDO)として、日本におけるデジタル分野の推進に寄与した個人に対して授与されるものです。
磯和氏のプロフィールと経歴
磯和氏は1990年に東京大学法学部を卒業後、三井住友銀行に入行しました。以降、法人業務や法務、経営企画、人事など様々な部門でその経験を積んできました。特にリテールマーケティング部とIT戦略室を立ち上げ、デビットカードの発行やインターネットバンキングアプリのUX向上に取り組んできたことが際立っています。また、トランザクション・ビジネス本部長として、オンライン決済サービスの企画や推進にも貢献し、最近ではデジタルソリューション本部長としてSMBCグループのデジタル化を一手に担ってきました。
受賞の背景
磯和氏の受賞理由は、彼がCDIOとしての役割を果たし、SMBCグループのデジタルの推進を大いに牽引していることです。特に、デジタル時代において新たなビジネスモデルを創造し、具体的な成果を上げていることが高く評価されました。彼が担当した「Olive」というアプリは、銀行口座やカード決済などの機能をシームレスに統合し、デジタルエコシステムの構築を目指す取り組みです。
さらに、磯和氏は2023年に米国での店舗を持たないデジタルリテールバンク「Jenius Bank」を開業し、デジタルを駆使した顧客体験の向上に寄与しています。このような先駆的な取り組みは、他の企業への模範となるものとされています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)への貢献
CDOとして磯和氏は、特にデジタル戦略を遂行する上での『Beyond&Connect』や『Empower Innovation』という思想を掲げており、既存の業務の改善ではなく新たな事業創造を重視しています。この姿勢は、他の日本企業と一線を画しており、創造性を促進する次世代金融業のビジョンを示しています。
また、彼は現場からのアイデアを積極的に取り入れ、その場で即座に事業化するための「CDIOミーティング」を実施しています。これにより、経営陣と現場従業員との間の連結が強化され、DXへの参加が促される仕組みを確立しています。
CDO Club Japanの意義
一般社団法人CDO Club Japanは、CDOの役割とその社会的な認知の発展を目指して活動している組織です。CDO Club自体は、グローバルで展開されるデジタル領域における経営陣のコミュニティで、全国的に多くの企業のCDOが参加しています。重要なのは、各メンバーが情報を共有し、最新のデジタル技術や市場の動向に精通できる場を提供している点です。
磯和氏の業績は、CDOの役割を明確に認識させ、今後の業界全体の変革を引き起こす可能性を秘めています。以上のような様々な側面から、高い評価を受けるに至ったことが理解できます。今後も彼の活動から目が離せません。