中小企業への影響深刻化：トランプ関税で景気不安増大

トランプ関税がもたらす中小企業への影響とは

2025年4月2日、米国が発表した関税引き上げから、早くも2ヶ月が経過しました。この動きは多くの中小企業に不安をもたらしており、特に景気動向調査における結果がその実情を物語っています。その調査結果に基づく最新の情報をお届けします。

調査の概要

今回の調査は、大阪府との合同で実施され、大阪の623社から回答を得ました。調査期間は4月21日から30日までの2週間にわたり、郵送とWEB回答によって実施されました。調査の内容としては、トランプ関税が中小企業に与える影響についての意見を集めました。

影響の実態

調査結果によると、関税引き上げの影響を「わからない」と回答した企業が52.4％に達し、急激に増加しています。これは、企業が将来的な見通しに対して非常に不安を感じていることを示しています。特に、どの程度の悪影響があると考えているかは、企業の規模や業種により異なりますが、16.7％の企業が今後、その悪影響が現れると予測し、6割がその時期を10月までと考えています。

売上と需要の低迷

トランプ関税による影響には、具体的な項目が挙げられています。「受注減少」と回答した企業が44.8％、続いて「国内需要停滞」が40.6％、さらには「業況低迷」が40.0％と、依然として厳しい経済環境が続いていることがわかります。このような状況の中で、業界の先行きは不透明であり、多くの企業が景気後退を警戒しています。

対応の限界

関税引き上げに対する各企業の対応策も注目されています。「特に対応しない（できない）」との回答が33.9％と最多である一方で、「販売価格交渉」が30.4％、「既存事業の生産性向上」が29.2％、「国内販路開拓」が28.0％と続きます。需要が減少する中、特別な対応ができない企業も多く、業種別に見ると製造業では「国内販路開拓」が40.7％と高い割合を占めています。

支援の必要性

調査において特に多くの企業が求めている支援は、「資金繰り支援」が33.7％、次いで「補助金支援制度の拡充」が33.1％となりました。さらに「販路開拓支援」が27.6％、「生産性向上支援」が19.0％と続き、企業がどのようなサポートを必要としているかが明らかです。これらの支援が広く求められていることから、適切な政策が重要とされています。