医師・中嶋優子氏を特集した12月号の魅力
株式会社メディカル・プリンシプル社が発行する『DOCTOR'S MAGAZINE』は、医療業界のヒューマンドキュメント誌として長い歴史を持ちます。創刊から25周年を迎える2024年、特に注目すべきは、今号での特集内容です。特に、特定非営利活動法人国境なき医師団(MSF)の日本会長である中嶋優子氏に光が当てられ、彼女の医師としての軌跡や理念が語られています。
高校時代、MSFのCMに心を動かされた中嶋氏は、医療の道を志すものの、多くの挑戦を乗り越え成長を続けています。彼女は麻酔科医としての専門訓練に励んだ後、2010年にイェール大学病院で救急レジデントとして働き始めました。この際、医師としての原点であるMSFに再び挑むこととなり、ナイジェリアに派遣されました。現地では、日本では経験することのない様々な重症外傷や感染症に直面し、多くを学びました。その後もパキスタン、シリア、ガザなどを含む8カ国で活動し続けています。
中嶋氏は2022年にMSF日本の会長に就任し、現在の課題として日本におけるMSFの貢献度を高めることや、医療活動を支援するメンバーの増加を挙げています。彼女は、「自分が現地に行けなくとも仲間を送り、新たな医術の道を切り開いてほしい」と語り、国境を越えた医療活動の意義を強調しています。このような彼女の姿勢が、今号において読者に深い感銘を与えているでしょう。
さらに、特別企画として「後悔しない、専門科選択とキャリア形成」をテーマにした鼎談が行われ、外科、産婦人科、循環器内科の医師たちがそれぞれの視点から専門科目の選び方やキャリアの築き方について語ります。また、「メスを握る資格、筆を執る覚悟」と題した対談企画では、外科医であり小説家としても活躍する中山祐次郎氏と編集長が意義深い逸話を共有し、自身の経験から紐解く医療と文学の交わりを描きます。
今号のもう一つの特徴は、「押し売り書店“仲野堂”」のコーナーで、仲野氏が東洋医学に関する書籍を紹介している点です。これにより、医療に対する多面的なアプローチが提示され、読者の知見を広げる試みが行われています。
このように、『DOCTOR'S MAGAZINE』12月号は医療に携わるすべての人々にとって、今後の医療活動に対する視点を新たにする優れた情報源となることでしょう。この機会にぜひ、手に取ってみては如何でしょうか。