ローム株式会社が新しく発表したハイサイドIPD(インテリジェントパワーデバイス)「BV1HBxxxシリーズ」は、自動車のゾーンECU(電子制御ユニット)向けに最適なソリューションとして位置付けられています。車両の電子制御がますます高度化となる中で、これまでのIPDでは対応しきれなかった容量負荷の駆動能力を向上させ、様々なボディ系アプリケーションにおける性能を強化しました。
今回の新製品は、特殊なプロセス技術によって、低オン抵抗と高エネルギー耐量を両立させることができました。それにより、駆動能力、オン抵抗、エネルギー耐量の3つの重要なパラメータを高い水準で実現しています。この特徴は、安全性、効率性、信頼性に優れたシステム設計をサポートし、特に自動車業界においては重要な役割を果たします。
新型IPDには、業界最高水準の電流センス機能が搭載されており、出力負荷へ接続する際のハーネス保護に大きく寄与しています。また、パッケージは小型で放熱性に優れたHTSOP-J8を採用しているため、高い汎用性を発揮します。2025年6月からは月産20万個の体制での量産を開始し、インターネット上での販売もスタートしています。
自動運転や電気自動車(EV)の進化に伴い、電子的な保護の重要性が高まっています。これにより、従来のメカヒューズに代わってIPDの採用が急増しています。ゾーンECUは各機能をゾーンごとにまとめて制御する統合型のECUであり、従来の個別ECUとは異なり、多くの負荷を一括で管理することが可能です。
これにより、安全性が向上し、システムの効率が格段に良くなります。しかし、従来のIPDはこのような容量負荷に対する駆動能力が不足していました。新製品はその隙間を埋めることで、自動車の電子化を強力に推進する役割を果たします。今後もロームは、高い信頼性を確保したデバイスを開発し、業界のニーズに応えていくことが期待されます。
自社の強みを活かした技術開発によって、自動車分野においても省電力化や安全性能の向上を図るロームの新しい試みとして、このハイサイドIPD「BV1HBxxxシリーズ」に注目が集まっています。