海と山を満喫する漁師の二刀流ライフを支える白糠町の魅力

二刀流漁師のライフスタイル

北海道白糠町は、海と山の豊かな自然に囲まれた素晴らしい場所です。この町では、2025年12月10日から今年度のホッキ漁が始まり、同時に10月から翌3月末まで解禁される鹿猟も最盛期を迎えています。この白糠町には漁師であり猟師でもある「二刀流」のライフスタイルを実践する方が存在します。今回は、そのお話を伺いながら、この新しい働き方がどのように影響を与えているのかを深掘りしていきます。

前田貴宏さんのプロフィール

前田貴宏さん（46歳）は、21歳で漁師の道に入り、30歳で猟師の免許を取得しました。彼の年間の活動は多岐に渡り、現在では、ホッキ貝漁や定置網漁に従事しつつ、山では毎年600〜700頭のエゾシカを仕留めるという活躍を見せています。彼の生活を支えるカレンダーは以下の通りです：

- 12月〜6月：ホッキ貝漁と猟師
- 7月〜9月：定置網漁と猟師
- 10月：鹿猟
- 11月：定置網漁と猟師

魅力的な仕事に魅了された理由

前田さんは若い頃、町を離れて自由気ままな日々を送っていましたが、21歳の時に帰町し漁師としての活動をスタートしました。小型の船でサンマやタラの漁を経験しながら、一定のスキルを身に付けていきました。30歳を過ぎた頃、エゾシカ猟に深い魅力を感じた彼は、ライフルではなくショットガンからスタートし、獲物を取ることの楽しさを知ることとなりました。

猟りを通じた仲間との絆

前田さんは、猟にのめり込む要因は仲間とのつながりにあると話します。様々な地域の人々と交流し、互いに技術を持ち寄り学び合うことで、競争心と共に高め合う関係が生まれるとのこと。また、北見にいる「先生」と呼ばれる人物の技術に衝撃を受け、鹿の選び方や撃ち方を学んでいきます。こうした学びは、彼をただの趣味から真剣な仕事の領域へと導いていきました。

自然との真剣勝負

漁師と猟師はどちらも自然と向き合う仕事ですが、それぞれ異なる醍醐味があります。前田さんは、海の漁が仲間との共同作業であり、猟が孤独と真剣勝負であることを語ります。どちらも達成感や興奮が伴い、本能的な魅力を感じるそうです。

変化する漁師の働き方

漁業の現状は厳しく、人手不足が続いていますが、前田さんは新しい柔軟な働き方があることを教えてくれました。若い漁師が働きやすい環境を整えることが急務であり、彼自身も重要な日以外は用事を優先して休むことを許される自由度の高いスタイルで働いています。このような環境は、次世代の漁師を育成するために必要な要素です。

若い世代へのメッセージ

前田さんは、若い世代に向けて「無理に引っ張ることはできないが、広い心で受け入れる準備をしている」と語ります。豊かな福利厚生や美味しい新鮮な海の幸、仲間との絆、それらが若い世代を引き寄せる力となると信じています。また、最近の漁師はライフバランスを大切にし、海外でのサーフィンを楽しむような新しいスタイルの人も現れてきたと話します。