就職白書2025の概要
株式会社リクルートの就職みらい研究所が発表した『就職白書2025』は、2025年卒の学生や企業における採用活動の詳細な分析を行っています。この調査は、学生がどのように就職活動を進め、企業がどんな採用戦略を採用しているのかを明らかにすることを目的にしています。枚挙にいとまのない情報から、クリティカルなポイントを絞り込んで解説します。
2025年卒の振り返り
学生の動向
2025年卒の学生のうち、84.9%が民間企業への就職を希望し、91.7%が就職活動を行いました。これは調査開始以来の最高水準です。特に、就職活動を前年の9月までに始めた割合が61.6%に達し、前年よりも4.7ポイントの増加を見せました。
興味深いのは、就職活動において生成AIを活用している学生の割合が34.5%に達したことです。前年度は14.5%にとどまっていたため、生成AIの活用が急増していることが分かります。
しかし、決定に至った学生の43.6%は、振り返ると「安易に決めてしまった」との感想を持っています。この傾向は、自分の重視する基準が不明だった学生において見受けられ、65.8%が同様の認識を示しました。
企業の状況
企業側では、採用充足率が37.2%と前年より少し増加しました。特に、面接を前年の2月前に始めた企業が増えており、対面面接では38.6%、Web面接では49.2%に達しました。約半数の企業が広報解禁前に面接を開始しているという結果が示され、企業の採用活動における意識の変化が伺えます。
2026年卒の採用見通し
2026年卒の採用に関する調査では、平均採用予定数が31.9人と、2025年卒の30.3人から増加しました。また、企業は前年の2月までに面接を開始することをさらに重視しているようです。特に対面面接が51.2%、Web面接は61.8%となり、それぞれ前年度に比べて増加しています。
さらに、75.4%の企業がキャリア形成支援プログラムを実施しており、その中ではオープン・カンパニー形式の実施が87.8%と最も高い数字を記録しています。このように、企業は新しい採用戦略を模索し、学生に向けた取り組みを進めています。
調査方法と背景
今回の調査は、インターネット調査を基に、全国の大学4年生と大学院2年生を対象に行われました。学生1,835人からの有効回答を得、期間は2024年11月22日から12月4日まで、実施機関は就職みらい研究所です。また、企業調査は4,876社から1,510社の回答を得て、同様の調査期間を経て実施されています。
これらの情報は次世代の採用活動に重要な示唆を与えます。若者が未来の働き方を見つめ直すきっかけとなることを期待しています。