公立高校入試における新たな試み
株式会社朝日新聞社の傘下にある朝日学生新聞社が、2025年10~11月に公立高校入試の「デジタル併願制導入」に関する調査を行うことを発表しました。これは東京大学マーケットデザインセンターからの依頼を受けたもので、現役中高生を対象としています。この取り組みは、より公正な入試制度の実現に向けた一歩とされています。
既存の「単願制」とは?
現在の公立高校入試では、受験生は1校のみを選んで出願する「単願制」が主流です。これに対し、提案されている「デジタル併願制」では、受験生が複数の高校に併願を申し込むことが可能になります。各高校は受験生の志望順位に従い、合格順位を出す仕組みになっており、アルゴリズムを利用して多様な受験生の選考をスムーズに行える点が特徴です。
アンケート調査の目的
この計画の背後には、受験生が後悔することや都道府県の負担が増加することを避けたいという意図があります。公立高校入試が大きく変化することで、混乱も予想されていますが、当事者の声をしっかりと反映させることが求められています。特に、東京大学マーケットデザインセンターの研究チームは、多くの実情を把握するために、現役の中高生の意見を集めることを重視しています。
アンケートの内容
アンケート内容については、現行の制度への意見、新制度導入後の行動などがテーマとなります。具体的には、「受験する高校を選ぶ際に何を重視しますか?」や、「『デジタル併願制』が導入されると、どう影響があると思いますか?」などの質問が盛り込まれています。高校生には、もし自分が受験生であった場合、どう感じるかを想像してもらいます。
調査期間と結果の公開
調査は11月中旬までの約1カ月間行われる予定です。そして、収集されたデータは、東京大学の研究活動に匿名化し提供されるほか、朝日中高生新聞のデジタル版などで結果が紹介されます。また、アンケート回答者には、抽選で謝礼が贈られる計画もあり、参加意欲を高める要素となっています。
回答方法と問い合わせ先
公立高校入試に関するこの重要な調査に参加したい方は、「デジタル併願制」の解説ページと回答フォームから、ぜひ意見を寄せてください。なお、メルマガ会員でない方も参加できます。詳細な問い合わせは、朝日学生新聞編集部までお願いします。
(日付: 2023年)