省エネで快適な半屋外空間を実現する「Comfy TOUCH」
株式会社大林組とピーエス株式会社が共同で設計した「Comfy TOUCH(コンフィタッチ)」は、冷温水パネルを使用した新しい冷暖房システムです。これにより、従来の空調システムと比較して約10%の電力を消費し、夏や冬の快適な温熱環境の維持を可能としました。このシステムは、商業施設のテラスやガレリアなどの半屋外空間を対象にしており、コロナ禍以降重要視されるようになった新たな空間利用の提案でもあります。
開発の背景
現在、多くの商業施設において、広々とした半屋外空間の利用価値が再認識されています。自然光や風を取り入れたこのような場所は、人々にとってリラックスできる要素となります。しかし、これらの空間で快適に過ごすためには、冷暖房設備が必要不可欠ですが、エネルギーの消費が多く、従来型の空調では対応しきれない課題が存在しました。そこで、「Comfy TOUCH」の開発が進められました。
システムの特徴
1. 直接体感できる冷暖房
「Comfy TOUCH」は、家具や床に設置した冷温水パネルを利用します。このパネルには、約30℃に温度調整された冷温水が流れ、熱伝導と輻射熱の作用により、快適な温度をユーザーに提供します。デザイン面でも多様な素材を組み合わせることが可能で、鋼製のパネルと木材などの異素材を用いることで、見た目においても魅力的な空間を提供できます。
2. 優れた省エネルギー性能
「Comfy TOUCH」は、高い局所性を備えています。つまり、利用者がこのシステムに触れたり、近くにいるだけで冷涼感やぬくもりを感じることができ、その結果、エネルギー効率が極めて高く抑えられています。この局所性によって、エネルギー消費を抑えるだけでなく、ランニングコストの削減にも貢献します。さらに、冷温水パネルに流れる水は30℃前後の中温度帯であり、井戸水や地下水を利用することで、さらなる省エネルギーが実現可能です。
未来の展望
商業施設では、利用者の滞在時間と売上高が比例関係にあるとされています。従って、「Comfy TOUCH」を導入することで、施設内のどの場所でも快適に長時間過ごせるようになり、個性的な空間演出が可能になります。これにより、商業施設全体のポテンシャルを最大限に引き出すことが期待されます。
株式会社大林組は、省エネルギーを重視した新しい冷暖房システムを通じて、快適な空間提供と共にウェルビーイングな社会の実現に寄与します。