高山市・飛騨市が宇宙技術を活用した水道DX事業を開始

宇宙技術で水道事業の未来を切り拓く

高山市と飛騨市が新たに導入した「天地人コンパス宇宙水道局」は、宇宙ビッグデータを活用し、漏水リスクの管理を革新するソリューションです。このシステムは、JAXA認定の宇宙ベンチャー「株式会社天地人」によって提供されています。今回の共同発注により、高山市上水道課と飛騨市水道課が力を合わせ、持続可能な水道運営の確立を目指しています。

日本の水道インフラが抱える課題

日本全国では水道管の老朽化が進行し、大規模な漏水事故が頻繁に発生しています。水道管の約22％にあたる16万kmが法定耐用年数を超え、現行の手法では点検や修繕に多額の予算と時間が必要です。このような中、少子高齢化や人口減少により、今後の水道料金収入や職員数が減少することが懸念されています。

高山市と飛騨市の取り組み

高山市と飛騨市は、豊かな自然環境の中で水道事業を安定的に続けるための積極的な戦略を展開しています。高山市上水道課は、「高山市水道ビジョン・経営戦略」を策定し、民間技術の導入やGISシステムを活用したデジタル化を推進しています。一方、飛騨市水道課も「飛騨市水道ビジョン」を元に、中長期的な展望を持った計画的な事業の進行を行っています。

「天地人コンパス宇宙水道局」の機能

このシステムは、人工衛星からのデータとAI技術を融合させ、漏水リスクの高いエリアを特定することができます。具体的には、100m四方の範囲で漏水リスクを5段階に示すマッピングサービスで、視覚的に理解しやすいインターフェースを提供しています。調査結果はリアルタイムで管理されるため、迅速な漏水発見と修理計画を支援します。

2022年度には内閣府との実証実験を実施し、その結果、点検費用を最大で65%、調査期間を最大で85%削減できる見込みだとされており、この成果は他の自治体でも評価されています。