株式会社Ashiraseが開発した歩行ナビゲーションデバイス「あしらせ」が、東京都が主催する「東京都ベンチャー技術大賞2024」において優秀賞を獲得しました。この受賞は、視覚障がい者の支援を目指す革新的な技術が評価された結果です。表彰式は2024年11月20日から22日まで開催された「産業交流展2024」において行われ、千野歩 CEOが小池百合子都知事からトロフィーを授与されました。
「あしらせ」は、視覚障がい者の歩行をサポートする世界初の靴装着型振動ナビゲーションデバイスであり、2021年に設立されたAshirase社が手掛けています。このデバイスは、自動運転技術を応用し、視覚障がい者にとって重要な聴覚や白杖の操作を妨げないように設計されています。個々の足元への振動により、正確なナビゲーション情報を提供し、ユーザーが安心して外出できる環境を提供します。
2024年10月には量産モデル「あしらせ2」が発売され、さらなる進化を遂げました。このデバイスは、音声ナビゲーションを使ったスマートフォンとの連携も可能で、利用者は手や耳を自由に保ちながら目的地に向かうことができます。
受賞を受け、Ashiraseのミッションである「人の豊さを“歩く”で創る」を改めて意識し、視覚障がい者の外出を支援する取り組みを推進していく姿勢を示しました。表彰式の会場には「あしらせ」が展示され、来場者は実際にデバイスを体験することができる「東京都ベンチャー技術大賞ゾーン」が設けられました。
また、「あしらせ」にはいくつかの特長があります。まず、手や耳が自由な状態で目的地まで案内できる機能があり、振動によってルートや曲がるタイミングを伝えます。目的地設定後は、スマートフォンをポケットに入れた状態でも利用でき、周囲の安全を確認しやすくなります。
さらに、視覚障がい者に適した歩行ルートを提案するための独自のアルゴリズムを採用し、行きたいルートを記録する「マイルート機能」や道案内の音声案内機能も充実しています。そして、AIを活用した情報提供機能も拡充されており、音声入力によるおすすめのスポット情報提供や、画像認識による場所の確認機能などが続々と追加されています。
Ashiraseは、今後もさらなる技術開発を進めていくことで、視覚障がい者がより自立した生活を送れるような支援を続ける意向です。新しいナビゲーションデバイス「あしらせ2」を通じて、彼らの生活にプラスの影響を与える取り組みを一層強化していきます。詳細は公式ウェブサイトで確認できます。