物語の自動販売機が新しい文化体験を提供
2025年10月から、株式会社トーハンが推出する『物語の自動販売機』の実証実験が開始されます。最初の設置場所として、東京・世田谷文学館、兵庫・フェリシモ チョコレート ミュージアム、さらに東京・青山学院大学が選ばれ、様々なショートストーリーを提供するこのプロジェクトが注目を集めています。
物語の自動販売機とは?
この自動販売機は、特別に開発された機器で、ユーザーの操作により、登録された複数のショートストーリーをランダムに印刷し提供します。物語の長さはだいたい500字から2500字に及び、一般的に3〜5分で読める内容となっており、手軽に文化や物語に触れることができるツールとして期待されています。このサービスは、特定の地域やイベントに合わせたストーリーを登録できるため、設置場所に応じたローカライズが行われます。
文化庁の支援を受けての新事業
この取り組みは、文化庁の「令和7年度 文字・活字文化資源活用推進事業」の一環として採択されており、トーハンの社内ベンチャー制度「Business Design Lab.」から発生したアイデアです。このプロジェクトは、若手社員たちの熱意とチームワークから生まれ、普段接することが少ない人々に対して、物語の魅力を再発見してもらうきっかけになることを目指しています。
設置場所とその特徴
1. 世田谷文学館(東京都世田谷区)
この文学館では、「世田谷文学館開館30周年記念コレクション展」が開催され、その中で世田谷線に関連した物語が紹介されます。自動販売機は、世田谷文学館、たまでんカフェ山下、生活工房ギャラリーを巡回し、地域の文学文化を体験できる場を提供します。
- - 設置期間: 世田谷文学館 2025年10月22日~11月5日、たまでんカフェ山下 2025年11月中旬以降(予定)、生活工房ギャラリー 2026年1月中旬以降(予定)
2. フェリシモ チョコレートミュージアム(兵庫県神戸市)
こちらのミュージアムでは、ミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」の展示が行われており、原作の重要シーンに基づいた物語が提供されます。観光客や訪問者が新たなストーリーを発見する手段として機能します。
- - 設置期間: フェリシモ チョコレート ミュージアム 2025年10月24日~2026年2月1日
3. 青山学院大学(東京都渋谷区・神奈川県相模原市)
この大学では、学生によるおすすめの本やオリジナルショートストーリーを紹介する予定です。学内での文化体験を豊富にすることで、若い世代に物語の楽しさを伝えるプロジェクトです。
- - 設置期間: 青山キャンパス 2025年11月下旬~、相模原キャンパス 2026年4月(予定)
利用方法とメリット
自動販売機は、一般的な100Vのコンセントに接続すれば利用可能で、操作もシンプルです。ユーザーは、好きな物語を選ぶことで、自分だけの物語体験を得ることができます。設置費用は設置者が負担するため、地域文化の活性化や企業イベントのPRとしても活用が見込まれています。
この『物語の自動販売機』プロジェクトは、出版社や作家との連携も視野に入れており、新刊や既刊のブック紹介や、書籍購入に繋がる取り組みの展開も期待されています。文化的な出会いを創出するこの新しい試みに、ぜひ目を向けてみてはいかがでしょうか。