福島県田村市が観光活性化に挑戦
福島県田村市は、阿武隈高原の中心に位置し、地域の観光資源を活用した取り組みを開始しました。主要な観光地である「あぶくま洞・入水鍾乳洞」への観光客数が震災前の水準に戻っていない中、地域の魅力を向上させるために、交通事業者や観光業者との連携を強化することに決めたのです。
震災後の観光状況
東日本大震災による影響で、田村市を訪れる観光客は大幅に減少しました。震災後の復興に向けた努力が続けられているものの、観光客数は依然として難しい状況です。田村市の魅力を最大限に活かすため、地域の事業者が一つになって観光振興に取り組むことが求められています。
連携プロジェクトの具体的な内容
田村市は、東部自動車合資会社をはじめとする交通事業者や観光拠点と協力し、様々な新しい企画を実施することになりました。以下にその主な取り組みを紹介します。
1.
謎解き型観光タクシー: 観光を楽しむ過程で地域の歴史や文化を学べる内容で運営され、観光客が楽しみながら地域の魅力を発見する手助けをします。
2.
滞在型観光タクシー: アウトドア体験が充実したプランを提供し、地域の自然と触れ合う機会を増やすことを目指しています。
3.
冬のイベント開催: 冬に特化した観光イベントを共同で企画・実施し、他にはない魅力を発信していく予定です。
これらの取り組みは、移動と体験を組み合わせる新しい観光形態として進められ、観光客への高い付加価値を提供します。リピーターの増加だけでなく、地域の魅力を広く伝えることも狙いとしています。
地域事業者の思いと展望
各事業者の代表者たちが語るこのプロジェクトの意義は深いものがあります。
- - 東部自動車合資会社の羽場代表: 地域貢献を念頭に、運輸事業を長く続けた実績を活かし、田村市の素晴らしさを伝えるために取り組んでいます。地域と共に成長することが事業の礎です。
- - ほていやタクシーの猪狩代表: 地域の魅力を再発見し、観光地としての価値を高める努力を続けていきます。地元を知り尽くした運転手が訪問者を迎え入れます。
- - ホップジャパンの本間代表: 自然環境を最大限に活かしたクラフトビールと共に大自然の中での体験を提供し、地域の魅力を引き上げます。
- - 大野企画の大野代表: 星空観察や食・宿泊を組み合わせた新しい形態の観光の充実を図ります。
また、田村市役所の観光交流課もこの連携を推進することで、地域の魅力を幅広く発信していく構えです。
期待される効果
このプロジェクトは「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」に選定され、2021年12月から2022年2月の間に実証実験が行われます。この取り組みによって、田村市の観光業が活性化し、地域が持つ本来の魅力が再評価されることが期待されています。観光客の増加だけでなく、地域のさまざまな資源を結び付け、次世代へと繋がる持続可能な地域づくりへと発展していくことでしょう。
福島県田村市の新しい試みに注目が集まっています。