環境に優しい水処理剤の新たな展開
兵庫県加古川市に本社を置く多木化学株式会社が、大阪市水道局と手を組み、環境に配慮した水処理凝集剤「膜用PAC」に関する共同研究協定を結びました。研究期間は令和8年8月から令和13年3月までの4年7ヶ月にわたり、大阪市内で実施される予定です。
この新しい膜用PACは、多木化学が新たに開発した製品で、膜ろ過の性能向上と膜閉塞の抑制を目指すものです。膜処理では、水質の改善が求められるだけでなく、処理コストの削減も重要な課題です。この膜用PACを適用することで、単位水量あたりに必要な膜本数や膜処理動力の低減が可能になると期待されています。やがて、膜処理コストが下がることで、浄水場の経済性も向上するでしょう。
実証試験で得た成果
実際に一部の浄水場において、膜用PACの実証試験を行い、良好な結果を得ています。これにより、本研究では淀川原水を対象にし、大阪市水道局の膜ろ過試験フィールドで最適な運転条件と水処理ランニングコストの低減について評価を行います。このプロジェクトは、膜用PACの導入を想定し、水質の向上だけでなく、管理の簡素化を目指したものです。
水インフラの高度化
本共同研究を通じて、多木化学は膜処理の安定化、省スペース化、運転管理の簡素化を進め、より持続可能な水インフラの構築を志向しています。水道インフラの高度化は、現代社会において非常に重要なテーマです。水の質を守るだけでなく、将来的には人々の生活にも直接影響を及ぼすため、特に注目が集まっています。
また、多木化学は「長期ビジョン2050」に基づき、環境に配慮した化学素材を利用して、循環型社会の実現に向けて積極的に取り組んでいます。環境配慮型の水処理薬剤の普及を目指し、さらなる技術開発と資金投資を進める意向を示しています。
今後の研究の進展が期待され、膜用PACがどのように市場に浸透していくのかが注目です。環境保護と水質向上の両立を実現するため、多木化学と大阪市水道局の取り組みがどのように結実していくのか見逃せません。