カンニングの心理と対策
2022-03-23 11:30:02

カンニングの心理とオンライン試験環境の課題について深掘り

カンニングの心理と試験環境の関係



2022年度の大学入学共通テストで「世界史B」の試験問題流出事件が報じられ、多くの人々が驚きを隠せませんでした。この事件では、試験用紙を撮影して外部に情報を送信しようとした行為が発覚。こうしたカンニング行為を防ぐため、試験会場では厳重な対策が取られています。試験中の持ち物制限に加え、監督のチェックも厳密に行われることが一般的です。

しかしそれでもカンニングが根絶されない背景には、受験者の心理が重く影響しています。「どうしても合格したい」という気持ちが、時には不正行為を選択させる要因となるのです。実際に行われた調査では、カンニングをしようと考える方々の心理が多面的に浮き彫りになりました。

カンニングの動機


調査によると、カンニングを思い立った理由として最も多いのが「絶対に合格したかったから」というもので、その割合は50.1%に達しました。他にも「試験は結果だけが重要だと思ったから」が20.3%、「悪いことだと知りつつも楽をしたかったから」が14.8%と続き、合格への強い願望や環境への無理から、不正行為が引き出される例が多いようです。

実際のカンニング行為とは


次に、具体的なカンニングの方法についても質問されました。「試験中に他の人の答案を覗き見る」と回答した人が58.8%を占め、次いで「カンニングペーパーを用意する」が35.4%。また、驚くべき手法も浮かび上がりました。たとえば、替え玉受験や電子辞書の機能を使ったカンニングが報告されています。これらは、アナログからデジタルに至るまで多岐にわたります。

監視体制とカンニング


試験監督の存在は、カンニング行為の発生を大きく左右します。「監視が甘い環境では多くの人がカンニングをする」と考える人が7割近くに達したことも示しています。この結果からもわかる通り、試験監督の役割は非常に重要です。試験環境において、受験者の心理に影響を与える多くの要素が絡んでいることを再認識する必要があります。

カンニングを諦める理由


カンニングを思ったものの実行にはいたらなかった理由としては、「したくても実際にカンニングするのは無理だと思った」との回答が29.5%と高い数値を占めます。リスクを考え、カンニングが発覚した場合の影響を考えることで多くの受験者が抑止された結果とも言えます。

オンライン試験の課題


また、オンライン試験については特に大きな問題が指摘されています。受験者は「監視が甘いと感じたらカンニングしやすい」と考えており、オンライン試験でのカンニングの懸念も高まっています。試験環境が適切に整備されていない場合、受験者の心理に隙を与える結果となります。ここで求められるのは、厳格な試験環境の確立と受験者倫理の向上です。

結論


カンニングを抑制するには、試験環境の整備に加え、受験者一人ひとりが道徳的意識を持つことが不可欠です。今後の試験形態や対策には、科学的な解析を基にした監視体制の強化が期待されます。特に、全日本情報学習振興協会の導入予定である不正防止システムは、その一例として非常に注目されます。これからの試験システムの構築には、受験者の公平性を保つための努力が必要であることを再確認しました。

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一般財団法人全日本情報学習振興協会
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