フリーランスの現状と影響物価上昇による生活苦の実態とは

フリーランスの現状と物価上昇の影響

近年、日本経済の物価上昇が顕著になり、多くの人々がその影響を受けています。特にフリーランスとして働く人々にとって、この変化は特に深刻なものとなっています。日本労働組合総連合会（連合）が実施した「フリーランスとして働く人の意識・実態調査2025」の結果からは、その実情が浮き彫りになりました。

フリーランスが感じる生活の厳しさ

調査によると、フリーランスの45.7%が「生活が苦しくなった」と回答しており、特に40代ではその割合が52.7%に達しています。他の世代と比べて、40代は特に厳しい影響を受けていることがわかります。また、27.8%のフリーランスは「業務に必要なコストが上昇した」と感じており、こちらも60代以上では31.5%にのぼります。

物価の高騰により、生活の基盤に直接かかわるコストが増えている状況は、多くのフリーランスにとって深刻な問題です。特にクリエイティブ関連の仕事をしている人々では、66.7%が生活の苦しさを感じており、業務コストが増加しているとも答えています。

フリーランスとして働く理由

フリーランスとしての働き方が選ばれる理由には、「好きなことを仕事にしたい」が34.5%と最も高く、続いて「自由に働きたい」や「自身の専門性を活かしたい」が29.7%を占めています。しかし、実際にその働き方が持つ自由さや満足度に関しては自分自身の専門性を活かすことに満足している人も多い反面、収入面では26.0%にとどまるなど、厳しい現実が待ち受けています。

フリーランスの働き方の満足度

調査によると、フリーランスとしての働き方に「満足している」と回答した人は53.4%に上ります。特に20代でこの充足度は61.4%と高く、自由な働き方を享受している様子が伺えます。それに対し、40代は46.4%と、やや低めの満足度が見られます。

満足度が高かったのは「プライベートとの両立」で66.8%、次いで「働きがい・やりがい」で61.0%でした。しかし、収入の面では46.8%が満足していないと回答しており、収入面での課題は依然として大きな問題です。

フリーランス法とその浸透度

2024年11月施行予定のフリーランス法についても調査が行われ、理解率は39.0%となっています。多くのフリーランスは、今後の法律の実効性に関して期待する一方で、現状ではほとんどの人がその内容を十分に理解していないという実態も見受けられます。

フリーランスのつながりや相談相手

フリーランス働く上での悩み相談は、「フリーランス仲間」や「同業者」が多く、特に「相談する相手がいない」と感じている人が43.3%にも及びます。多くのフリーランスは、孤立感を抱えながらも業務に励んでいることが分かります。特に20代では、フリーランス仲間に相談する傾向が高い一方で、年代が上がるにつれて相談相手が減少する傾向にあります。

まとめ

物価上昇により生活苦が増している中で、フリーランスは自らの働き方や収入を見直す必要が迫られています。特に、将来的な展望が4割以上の人に「ない」と感じられている状況は、深刻な社会的問題です。他にも収入面での改善、そしてフリーランス法の更なる浸透が求められています。フリーランスの実態とその課題を理解すれば、より良い働き方や支援方法が見えてくるかもしれません。