企業倒産件数増加
2025-01-14 13:49:20

2024年12月企業倒産件数848件、32ヶ月連続増加の記録を更新

2024年12月の企業倒産分析



株式会社帝国データバンクが発表した2024年12月の企業倒産件数は848件に達し、前年同月の806件から5.2%の増加を見せました。これにより、企業倒産はなんと32ヶ月連続で前年同月を上回る記録を達成し、過去最長の連続増加期間を更新しました。前回の最長記録は1990年から1993年の31ヶ月でしたが、それを超える形となりました。

負債総額も大きく、2100億7600万円となり、前年同月の1015億400万円から107.0%の増加を見せ、2024年においても2番目に多い額となりました。特に目を引くのが、中古車販売店を運営していた㈱B.A.L.M(旧:㈱ビッグモーター)の831億円という巨額の負債です。

業種別倒産件数の動向



倒産の業種別で見ると、7業種中4業種が前年同月を上回る結果となりました。最も多かったのは『サービス業』で、220件から215件に減少したものの依然として高い数値を維持しています。一方で、2022年2月以来、34ヶ月ぶりに前年同月を下回ったことは注目です。また、『小売業』は前年同月163件から186件に増加し、14.1%の上昇を見せ、28カ月連続で前年同月を上回る状況です。『運輸・通信業』では49件から43件に減少しており、これも注視すべきポイントです。

業種を細かく分けて見ると、特に人手不足が続く『建設業』では「職別工事」が前年同月68件から80件に増加しており、業界の状況を反映しています。『小売業』の中でも「飲食店」の件数が65件から78件に増加したのも目を引きます。

不況型倒産の増加



倒産の主因を分析すると、特に『不況型倒産』が710件と、32カ月連続で前年同月を上回っています。その大部分は「販売不振」で699件(前年同月634件から10.3%増)であり、全体の82.4%を占めています。この状況を見ると、厳しい経済環境が企業活動に大きな影響を与え続けていることが伺えます。

倒産態様と規模



倒産態様を見てみると、『清算型』倒産が824件となり、全体の97.2%を占める驚異的な数字です。特に「破産」においては798件と前年同月752件から6.1%の増加が見られています。一方「特別清算」は前年同月35件から26件に減少したことも注目です。

負債規模別では「5000万円未満」が511件で最も多く、中小零細企業の倒産が目立っています。資本金規模でも『個人+1000万円未満』の倒産が617件を占め、実に72.8%になります。

新興企業の動向



業歴別では、新興企業が262件と15カ月連続で200件を超えました。この中でも、「サービス業」が最も多くの件数を占めてはいるものの、数は減少傾向にあり、今後の動向が気になります。

地域別の倒産状況



地域別に見ると、9地域中6地域が前年同月を上回った中、特に『近畿』が231件と13.2%の増加を果たし、実に27カ月連続で前年同月を上回る状況です。最も顕著な増加率を示したのは『四国』で、12月としては2008年以来の20件を超える結果となりました。この情報は全国的な経済への影響が大きいと考えられます。

このような現状の分析から見えてくるのは、経済環境の厳しさと、それに対する企業の対応が重要であるということです。一部の業種においては成長を見せる一方、その他の業種では厳しい現実が立ちはだかっています。これからの企業の動向には、より注視が必要です。


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