タンザニア農園に太陽光発電導入、持続可能な未来への一歩

タンザニアでの画期的な取り組み

株式会社UPDATERとタンザニアのTANJA Corporationは、2025年7月からコーヒー農園に太陽光発電の新しい電力供給サービスを導入すると発表しました。このプロジェクト名は「Pole Solar」です。これは、アフリカのタンザニア連合共和国で、農業のサステナビリティを高めることが目的です。農業生産の安定化と地域社会への貢献を目指すこの取り組みは、再生可能エネルギーに依存し、環境に優しいビジネスモデルとなることが期待されています。

オンサイトPPAモデルの導入

本プロジェクトにおけるオンサイトPPA（Power Purchase Agreement）モデルでは、UPDATERが発電設備を農園の敷地内に設置し、生成した電力を長期契約で直接供給します。この仕組みのメリットは初期投資を抑えることができる点です。農園側は設備費用をかけずに、月々の固定料金で安定した電力を利用することが可能になります。

限界に挑む

TANJAは、標高1,370～1,840メートルの地域で1,760ヘクタールの広大なコーヒー農園を管理しています。ここでは、スペシャリティコーヒーの生産を行い、日本へ輸出しています。しかし、当地の電力インフラは不安定で、しばしば停電が発生し、加工工程に大きな影響を及ぼしていました。これにより、製品の品質にも懸念が生じていました。

ここでの停電は、電力供給が途絶えることによって、大規模な加工設備の運営を困難にし、コーヒーの風味にも影響を与える要因となっています。このような現状を踏まえ、UPDATERとTANJAは太陽光発電の導入に踏み切りました。

プロジェクトの詳しい内容

今回のプロジェクトでは、設置される太陽光発電設備は10.6kWで、蓄電池の容量は31.8kWhです。この契約の期間は10年間で、2025年7月からの運用開始を予定しています。これにより、農園内での電力供給が安定し、加工業務の円滑な運営が実現します。

経済的・環境的負担の軽減

電力の安定供給が行われることにより、農園の生産性が向上し、古い発電機を使用する際の高額な燃料費が削減されます。また、温室効果ガスの排出量も抑制できるため、環境に対しても良い影響を及ぼします。これに伴い、コーヒーの採取と加工の効率化が図られることで、収益性も向上することが期待されます。

スマート・ビレッジ構想との連携

TANJAは「スマート・ビレッジ構想」を掲げており、地域の持続的な発展を促進しています。安定した電力供給は、その構想を一層加速する要素となります。このプロジェクトは地域住民の生活水準を向上させ、教育や医療、コミュニケーションインフラの整備に寄与するでしょう。

UPDATERとTANJAはこの取り組みを成功させることで、今後もこのモデルを他の農園や地域コミュニティに広げていくことを目論んでいます。持続可能なエネルギーの利用を広め、タンザニア全体の発展に寄与することが目標です。

担当者のコメント

UPDATERの担当者は、「タンザニアの基幹産業である農業の活性化を目指し、地域と調和した事業を推進したい」と述べ、TANJAのシニアプロジェクトマネージャーは「安定的で効率的な加工場運営には電力のバックアップが欠かせない」と語っています。このプロジェクトは、環境にも配慮した農業経営を実現し、次世代へ続く持続可能な未来を構築する第一歩です。