広島県神石高原町がAI活用で高血圧予防プログラムを始動

広島県神石高原町で、2024年9月2日から「高血圧重症化予防プログラム」がスタートします。このプログラムは、株式会社NTTドコモと地元の神石高原町が協力して実施されるもので、特に高血圧リスクを抱える住民に向けて設計されています。プログラムの基盤となるのは、「血圧上昇習慣推定AI」と呼ばれる、生活習慣を分析して血圧の上昇リスクを予測する技術です。この取り組みが全国で初めての試みであることから、注目が集まっています。

このプログラムは、神石高原町が抱える健康課題に対処するべく設計されました。地域内の高血圧保有者の割合が高く、特定保健指導の実施率も低いため、住民の健康維持や医療費の適正化を図る狙いがあります。プログラムでは、住民が参加しやすいように、ポイント制度を導入しているのも特徴です。「健康マイレージ」アプリを通じて、生活情報を収集し、日々の健康管理をサポートする仕組みが整えられています。

具体的な方法としては、住民がスマートフォンやウェアラブルデバイスを使用して取得した歩数や利用時間、位置情報などのデータを活用します。これにより、AIが生活習慣を解析し、将来的な血圧上昇のリスクがある生活習慣を把握します。この結果は「健康マイレージ」アプリを介して住民にフィードバックされ、生活習慣の改善に向けた意識を高める効果を期待することができます。さらに、過去の健康診断結果やレセプトデータを基に健康改善のための食事管理や運動指導を行い、住民に対して効果的なサポートをしています。

また、プログラムの参加者には健康ポイントが付与される仕組みもあり、ポイントを貯めることによって、さらなるインセンティブを提供します。こうした仕組みにより、住民が積極的に健康管理に取り組む環境が整えられ、継続的な参加を促進します。

プログラムへの参加を促すため、健診会場や企業向けのウェビナーを通じても参加を呼びかける活動が進められます。これにより、住民の健康意識の向上および相互のつながりを醸成し、地域全体の健康水準を底上げすることを目指しています。

今後の展開として、高血圧重症化予防プログラムの成果を継続的に評価し、地域の健康課題に対応した施策の強化をしていくことが期待されます。これにより、健康寿命の延ばしや医療費の負担軽減につながることが期待されており、現代社会における健康維持の重要性が再認識される機会となるでしょう。

NTTドコモと神石高原町は、連携を強化しつつこのプログラムを推進し、高血圧の重症化予防に向けた新たな一歩を踏み出しています。プログラムの効果的な実施を通じて、健康維持、生活習慣の改善、医療費の適正化を達成することが期待されています。