ウクライナの教育崩壊、戦争に立ち向かう子どもたちの現実
2025年11月、ウクライナにおける戦闘が続く中、教育施設への影響は計り知れないものとなっています。この年だけで、340以上の学校が被害を受け、子どもたちの教育の権利が奪われています。国連児童基金(ユニセフ)はこの状況に警鐘を鳴らし、戦争下でも教育が保障される必要があると訴えています。
教育を守るための闘い
2022年2月に戦争が激化して以来、ウクライナでは累計2800校以上の学校が損壊したと言われています。これは国家レベルで確認された数字に留まるため、実際の数はもっと多いと考えられています。ユニセフのウクライナ事務所の代表、ムニア・ママサデ氏は、「戦争下においても学校は子どもたちに安全な学びの場を提供しなければならない」と述べています。教育は子どもたちの命綱となり、正常な生活感覚を取り戻すための重要な要素です。
準備不足の学校と学びの困難
現在、460万人のウクライナの子どもが教育を受ける権利と機会に直面しています。彼らは本格的な戦闘が始まってから4学年目に突入しましたが、多くの校舎が攻撃を受け、通学が困難です。特に前線地域では学校が閉鎖され、約100万人の子どもたちがオンライン学習を余儀なくされています。
対面授業とオンライン授業が併用されている中、教師や他の生徒との直接的な交流がない状況が続くことは、学習能力に悪影響を及ぼし、戦争が引き起こす心理的な影響も加わり、状況をさらに厳しくしています。ママサデ氏は「困難な状況にも関わらず、ウクライナの子どもたちは夢を持ち、未来を信じて学び続けています」と語ります。
地下シェルターでの学び
例えば、ミコライウにある地下シェルターでは、ユニセフなどの支援により改修が施され、約3年ぶりに対面授業が再開されています。こうした取り組みにより、50万人以上の子どもが安全な学びの場を得られるよう支援されています。
また、今年は「安全な学校宣言」が採択されてから10年目にあたります。この宣言は、戦争が続く中で子どもたちの教育を守り、学校が軍事利用されることを防ぐための国際的な取り組みです。
バックアップとしての国際協力
11月25日から26日にケニア・ナイロビで開催される国際会議では、各国政府や子ども・若者の代表とともに、武力紛争下における教育の保護について議論します。この場でユニセフは、教育の継続を支え、子どもたちの権利を守るための新たな方策を模索することに期待しています。
子どもたちの未来のために
戦争の影響で教育が脅かされることは決して選択肢ではないと、ユニセフは強調しています。教育の分野への支援はウクライナとその未来に対する譲れない投資であり、国際的なパートナーたちに引き続き支援を呼びかけています。教育を受ける権利を守るために、私たち一人ひとりも行動する必要があります。
詳細については、
安全な学校宣言の情報をご覧ください。ユニセフは全ての子どもの権利と健やかな成長を促進する国連機関であり、今後もウクライナの子どもたちに支援を続けていきます。