ピカリング社、人気リードリレーシリーズにハイスペックバージョン追加!定格電力を倍増し、更なる省スペース化を実現
高性能リードリレーのトップメーカーであるピカリングエレクトロニクス社は、ユーザーの省スペース化とハイスペック化に対するニーズに応えるため、人気商品の4種類の小型リードリレーシリーズ(112、113、116、および超小型4mm2タイプの122)に、定格電力を増加させた新タイプをリリースしました。
今回の新バージョンでは、定格電力の向上により、利用可能なスイッチングオプションの幅が拡大しました。カスタマイズ可能なオプションや、様々なアプリケーションのニーズに適合する特注リレーも提供可能となり、何千にもわたるバージョンが提供されることで、ユーザーは基板設計の柔軟性をこれまで以上に高めることができます。
各シリーズの新バージョン詳細
122シリーズ
わずか0.15インチ(3.8mm)×0.4インチ(10mm)のフットプリントで基板への設置が可能な、112シリーズシングルインライン(SIL)リードリレーに、1Aのスイッチング電流(許容電流1A)で最大20Wの定格を持つ新たなスイッチタイプ“1”が追加されました。このリレーの極小なフットプリントは、リードスイッチをパッケージ内に斜めに実装することで実現されています。このシリーズは、VME、VXI、Compact PCI、PXIなどの高密度スロット基板システムへの使用に適しており、高品質のスパッタリングルテニウム接点により、自動テスト装置にも最適です。
113シリーズ
113シリーズSILリードリレーシリーズにも、新しいスイッチタイプ”1”オプションが追加されました。この新しいスイッチタイプは、スイッチング電流1A(許容電流1A)で最大20W(3Vコイルバージョンでは15W)の定格となります。フットプリントは0.15インチ(3.8mm)×0.5インチ(12.7mm)とコンパクトさをキープしています。このシリーズには、定格2W(スイッチタイプ”3”)仕様の、業界で入手可能な最小のチェンジオーバーリードリレーと、最大3GHzに適した同軸リードリレーもあります。さらに、スイッチタイプ”1”には、1Aで最大20Wのスイッチングが可能な5Vコイルの2極DPSTタイプも提供可能です。
116シリーズ
ATEスイッチングマトリックスやマルチプレクサなどの超高密度アプリケーション向けに設計された116シリーズにも、1Aのスイッチング電流(許容電流1A)で最大20W(3Vおよび5Vコイルバージョンでは15W)の定格となる新しいスイッチタイプ”1”が追加となりました。116シリーズでは、1フォームA(SPST)タイプで0.15インチ(3.8mm)×0.27インチ(6.9mm)、2フォームA(DPST)タイプで0.15インチ(3.8mm)×0.40インチ(10mm)のフットプリントとなります。さらに、5Vコイルバージョンで最大15W、または12Vコイルバージョンで最大20W(どちらも1A)のスイッチングが可能な2極DPSTもあります。
超小型122シリーズ
わずか4mm x 4mmのフットプリントの超小型122シリーズに、1Aのスイッチング電流(許容電流1A)で最大15ワット定格のスイッチタイプ”1”が追加されました。このリレーは高さ12.5mmで、現状市場で入手可能なリレーでは最も高密度な実装を可能としています。最高品質の計装グレードのリードスイッチが搭載され、リレーを密接に配置した際の磁気相互作用を最小限に抑える内部ミューメタル磁気スクリーンが内蔵されていることを特長としています。
ピカリングエレクトロニクス社のテクニカルスペシャリストであるケビン・マレット氏は、「新しいスイッチタイプ”1”の定格電力は、従来のスイッチタイプ”2”よりも50~100%向上したことで、お客様はピカリング社で最も人気のある4つのリレーシリーズで、より高いスイッチング仕様をご使用いただけます。」とコメントしています。
ピカリング社リードリレーの特長
ピカリング社のリードリレーは、優れた製造工程および品質管理プロセスにより高い信頼性を実現しています。ピカリング社リードリレーは、低グレードのリードリレーによく見られる電気メッキのロジウム接点ではなく、計測器用にスパッタリングされたルテニウム接点を使用していることが特徴です。また、リードスイッチの内部応力を最小化するピカリング独自のSoftCenter™技術によって、動作寿命の延長と接触抵抗の安定性をもたらします。さらに、フォーマーレスコイル構造により、他メーカーの類似製品よりも小型なパッケージサイズを実現し、ミューメタルスクリーニングで、リレーを高密度配置した際の、隣接するリレー同士の磁気相互作用による問題を防いでいます。
ピカリングはまた、徹底的なデータ精査によるダイナミックコンタクト波形分析を含む、すべての動作パラメーターを100%テストすることで、機能・品質の安定性を確保しています。シンプルなDCテストやバッチテストしか実施せずきちんと機能を発揮しない部品混入のリスクがある他メーカーとは異なり、ピカリング社は全てのリードリレーの信頼性を保証します。さらに、ピカリング社では、全てのリードリレーに、-20℃から+85℃まで、そして-20℃に戻るという熱サイクルストレス試験を3サイクル実施しています。このような厳しいテストは他のメーカーではほとんど行われておらず、結果としてフィールドでの不具合が発生することもあります。
ピカリングエレクトロニクスについて
ピカリングエレクトロニクス社は、計装や試験装置での使用を主な目的とした高品質のリード リレーを設計および製造するために、50年以上前に設立された英国の製造メーカーです。現在、ピカリングのシングルインライン(SIL/SIP) シリーズは、多くの競合が存在するリレー業界において、約25%の市場シェアを有する最も普及した製品となっており、これらの小型 SIL/SIP リード リレーは、世界中の大手 ATEメーカーおよび半導体装置産業の各ユーザに広く供給されています。
ピカリンググループは以下の電子機器メーカー3社で構成される未公開企業グループです。
・ピカリングエレクトロニクス社:リードリレーの設計・製造
・ピカリングインタフェース社:モジュラー信号スイッチング/シミュレーション製品の設計・製造
・ピカリングコネクト社:ケーブルおよびコネクタの設計・製造