SPACECOOLの活用で静岡の豚舎が生産性を大幅改善

SPACECOOLが静岡の養豚業に革命をもたらす

静岡県の養豚業界に嬉しいニュースが舞い込んできました。SPACECOOL株式会社とイクナム研設株式会社は、放射冷却素材「SPACECOOL」を用いた実証プロジェクトを展開し、その成果を発表しました。実施された実証試験により、豚舎の出荷日齢が驚くべき25日も短縮されたのです。この結果は、暑熱による被害を軽減し、経済性を大きく向上させる可能性を秘めています。

夏の暑熱対策としての重要性

近年、国産豚肉の価格が高騰している中、養豚農家は厳しい状況に置かれています。特に、猛暑に見舞われる夏季には、肥育豚の受胎率や成長が悪化し、出荷数が減少してしまうのです。実際、2024年7月には豚肉の上物平均価格が1キロあたり800円を記録するなど、高値に拍車をかけています。これを受けて、養豚農家にとっての暑熱対策は、単なる選択肢ではなく、必須の課題といえます。

実証試験の実施内容

今回の実証試験は、静岡県内の養豚施設で行われ、イクナム研設が中心となってSPACECOOLの施工を行いました。施工方法は、豚舎の屋根全体をSPACECOOLのターポリン生地で覆う形で進められ、太陽光の入射を効果的に抑制しました。これにより、屋根の表面温度は未施工エリアと比較して大幅に低下し、豚たちへの熱ストレスが軽減されました。

特に興味深い結果として、実験期間中の最高外気温が32.9℃に達した際、施工部分の表面温度は未施工部分と比較して34℃も低い値を記録しました。この温度差こそが、出荷日齢の短縮に繋がったのです。実際、SPACECOOLを利用した豚舎では、出荷日齢が約25日短縮され、豚の出荷効率が向上したことが確認されました。

経済的価値の向上

さらに興味深いのは、出荷日齢の短縮がもたらす経済的な効果です。たとえば、300頭の豚を月に出荷し、1頭あたりの枝肉価格を約49,000円と仮定した場合、短縮された日数によっておよそ12,250千円の経済価値が生まれると算出されました。この数値は、特に枝肉相場が好調な時期において、養豚業者にとって大きな利益をもたらすことを意味しています。

食への貢献と未来への展望

SPACECOOLは、豚舎だけでなく、さまざまな生産環境に適用可能です。ヒトを含む動植物の生活環境の改善を目指すことで、畜産業全体の生産性向上にも寄与し、人々の食生活を支える重要な素材となることが期待されます。

SPACECOOLの導入が、農業従事者に新たな希望を与え、より持続可能な社会の構築に寄与することを願ってやみません。今後も、商品の性能向上や新たな適用方法の開発に力を入れ、農業畜産業を支える存在であり続けたいと考えています。

最後に、SPACECOOLに関するお問い合わせは、イクナム研設株式会社まで。彼らは新たな未来を切り開くため、多くの養豚農家と共に進化を続けています。