学校への複雑な感情
2025-09-02 12:21:31

小中学生の学校に対する意識調査が示した新たなリアルとは

小中学生の学校に対する意識調査が示した新たなリアルとは



最近、博報堂教育財団のこども研究所が実施した画期的な調査から、小中学生の学校に対する複雑な感情が浮かび上がりました。この調査では、全国の小学4年生から中学3年生を対象に、学校についてのさまざまな質問が行われました。その結果、実に80%が「学校が好き」と答えた一方で、半数近くの子どもたちが「朝、学校に行きたくないと思うことがある」と回答したのです。

学校が「好き」な理由とは



調査によると、好きという回答の内訳は「大好き」が12.0%、好きが40.2%、やや好きが26.2%で、合わせて78.5%が学校を好意的に捉えていることがわかりました。ただ、興味深いのは小学生と中学生での差です。小学生は83.3%が学校を好きだと答えているのに対し、中学生は73.8%にとどまります。この差は、成長に伴う心の変化を如実に表しています。

特に、学校生活への意識においては、「クラスは仲がいい」と答えた子どもたちが多く、友達や先生との関係が深く影響していることが伺えます。参加者は、授業が楽しい、担任の先生が好きだ、友だちとたのしく過ごすと答えることで、学校が好きだと感じる理由を明確に述べています。

「行きたくない」と感じる理由



興味深いのは、45.3%の子どもが「朝、行きたくないと思うことがある」と答え、そのうち26.8%が特に「月曜日」というタイミングに集中しています。この結果は、学校生活にドロドロした感情が潜んでいることも浮き彫りにしました。なぜなら、学校は「必ず行かなきゃいけないところ」として捉えられ、時に「やりたくないことをやらされる」と感じている子どもがいるのです。

学校の役割と子どもたちの希望



調査はさらに、学校が「みんなで力をあわせるところ」や「安心できるところ」と感じる子どもたちが多数いることを示しましたが、一方で「絶対に行かないといけないところ」や「やりたくないことをやらされるところ」と考えている子どもたちもいました。この結果は、子どもの心理の複雑さを象徴しています。

学校行事については、修学旅行や運動会があったほうがいいと考えている子どもが多い一方で、勉強に関しては「みんなと同じ」よりも「自分の好きなことを勉強したい」という意見が強いことがわかりました。こうした動向は、学校教育が変化していく必要があることを示唆しています。

子どもたちからの提案



500人以上の子どもたちが、もし校長先生になったら何をしたいかの自由回答形式で寄せた意見には、学校行事やイベントを増やしたいとの声が多数寄せられました。特に、コロナ禍の影響で縮小された行事に対して、行事を充実させてほしいという願望が色濃く表れています。また、校舎や設備の改善、現在の学校のルールの緩和を求める意見も多く、学校のフレキシブルな運営が望まれていました。

結論



この調査結果が示すのは、子どもたちが学校をただ好きと感じるだけでなく、そこには多くの中立的または否定的な感情が渦巻いているということです。学校は、彼らにとって集団の一部でありながらも、自己表現や自由を求める空間でもあると感じられています。今後、教育現場や学校運営は、子どもたちのこのような要求を柔軟に反映させることが求められるでしょう。社会が変わる中で、子どもたちが心地よく、かつ自己実現できる場としての「学校」の在り方が問われているのです。


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