鬼無玲子氏が奏でる「祈りと平和」の響き
香川県高松市出身で、96歳という年齢にも関わらず精力的に活動を続けるピアニスト、鬼無玲子氏。彼女は「祈りと平和」をテーマにした民族音楽系ゴスペルのクリスマスコンサートに出演します。この特別なコンサートは、彼女がこれまで歩んできた道のりと、その思いを象徴する場でもあります。
戦争を生き抜いた音楽人生
玲子氏は4歳でピアノを習い始め、女学校時代には教会のオルガニストを務めるまでになりました。しかし、太平洋戦争の影響で人生は大きく変わります。多くの女性が軍需工場で働く中、彼女もまた愛知県に出向し、飛行機工場での勤務を余儀なくされました。運命的な空襲を逃れながらも、彼女は多くの同僚や友人の命を失うという苦しい体験をしました。戦後、高松へ帰るも故郷は高松大空襲によって焼失し、疎開を余儀なくされます。
そんな厳しい状況の中でも、玲子氏は音楽を通じて平和を希求し続けました。教師として音楽を教えながら、オルガンやピアノでの活動は続け、戦争を経験した者として音楽が平和への祈りそのものであることを伝えています。やがて彼女の思いは家族にも受け継がれ、音楽一家としての道を歩むこととなります。
「祈りと平和」がテーマのコンサート
鬼無玲子氏の孫であり、音楽家の鬼無亮仁さんは、20年前にゴスペルグループ「AKchoir」を立ち上げました。今回のクリスマスコンサートには、コーラスオリンピック銀賞を受賞した60名のゴスペルシンガーが集い、玲子氏も演奏者としてフィーチャーされます。コンサートのテーマは「祈りと平和」。このテーマに共感し、玲子氏は心を込めた音楽を届けるために上京を決意しました。
100歳のピアニストを目指す
現在96歳の玲子氏は、「100歳のピアニストを目指す」と日々努力を重ねています。毎日2時間ピアノを演奏しながら、「鬼無ファミリートライアングル」と名付けたチャリティコンサートを通じて、香川県内の子供たちに「命の大切さ」を伝えています。12月20日のクリスマスコンサートでは、自身が特に思い入れのあるシューベルトの「トロイメライ」を演奏。また、息子の鬼無律友氏が歌い、妻の鬼無敬子氏がオカリナを演奏する姿も披露される予定です。
最高の音響で祈りを届ける
コンサートの会場、ミューザ川崎シンフォニーホールは、音響の良さが際立つ場所で、「ヴィンヤード型」と呼ばれる独特の配置により、聴衆全体が一体感を持って音楽に浸れる作りになっています。亮仁氏は、この場所が「祈り」をテーマにしたコンサートにぴったりだと語ります。計画されたプログラムは、観客と演者が共に心を通わせる空間を生み出し、祈りの力を一つにすることでしょう。
コンサート情報
AKchoirクリスマスコンサート「祈りと平和」
- - 日程: 2023年12月20日(水)
- - 開場: 18:00 / 開演: 19:00 / 終演予定: 20:45
- - 会場: ミューザ川崎シンフォニーホール
チケット
- - 一般: ¥4,000
- - 学生: ¥2,500
- - 小学生以下: ¥1,000
チケットの購入は以下のリンクからご確認ください:
チケットぴあ
ミューザ川崎シンフォニーホール チケットセンター
音楽の力で「祈り」と「平和」を一緒に体感するこの機会、ぜひお見逃しなく!