ソフトバンク、Classiqへの投資で量子コンピューティング推進
2023年、エンタープライズ規模の量子コンピューティングプラットフォームを提供するClassiq Technologiesがソフトバンク・ビジョン・ファンド2からの出資を受けることが発表されました。これは、量子アプリケーション開発における重要な一歩として位置付けられています。Classiqは、イスラエルのテルアビブに本社を置き、世界中の企業に対して量子コンピューティングの可能性を提供することを目指しています。
投資によるプラットフォームの強化
今回の出資により、Classiqは5月に実施したシリーズCラウンドを拡張し、同社の地位をさらに強化します。CEOで共同創業者のNir Minerbi氏は、「ソフトバンクとCDPベンチャーキャピタルの支援は、量子コンピューティングを現実のアプリケーションに活かす夢を実現するための強い信頼を意味しています」と説明しています。
ソフトバンク・ビジョン・ファンド2の投資は、同社の研究開発チームによる厳しい技術評価に基づいており、この評価ではClassiqのプラットフォームが高性能な量子回路を生成できることが確認されました。このことは、計算コストを削減しつつも、現在のハードウェア上で卓越した成果を上げることが可能であることを示しています。
ディープテックへの取り組み
CDP Venture Capitalの参加も注目されるポイントです。イタリアにおけるこのベンチャーキャピタルの投資は、量子コンピューティングのような基幹技術の開発を通じてイタリアのイノベーションを加速し、デジタル主権の確立を目指すもので、欧州のディープテック分野での成長を促す重要な一手となります。
Classiqのプラットフォームの特長
Classiqでは、企業や研究者が複雑な量子回路を設計・合成・最適化できる高水準な開発プラットフォームを提供しています。このプラットフォームは、量子ソフトウェアの開発をアクセスしやすくし、スケーラブルかつ未来志向のものにすることを目的としています。ユーザーがハードウェア特有の制約に悩まされることなく、新たな要素を簡単に取り入れられるよう工夫されています。
今後の展望
新たに得た資金は、製品開発の加速、グローバルなパートナーシップの拡大、さらには金融、自動車、通信、エネルギー、化学、製薬業界という多岐にわたる分野での顧客関係の強化に活用される予定です。これによりClassiqは、量子コンピューティングの実用化を一気に加速させることでしょう。
このプレスリリースは、2025年7月30日にイスラエル・テルアビブで発表されました。今後、Classiqの活動と共に推移していく量子コンピューティングの進展に期待が寄せられています。