摂南大学の画期的な研究成果
摂南大学の理工学部生命科学科に所属する居場嘉教講師らの研究チームが、暗闇に適応する際の瞳孔反応が昼夜で異なり、さらに加齢によって変化することを明らかにしました。この研究は、従来の瞳孔反応に関する研究とは異なり、時間の経過によってどのような反応が見られるかという新しい視点からアプローチしています。
瞳孔反応の重要性
瞳孔は光の量を調整するため、周囲の明るさに応じてその大きさを変化させます。これまで、瞳孔反応は主にその大きさに着目されてきましたが、本研究では「時間的変化」に焦点を当てています。このアプローチにより、暗闇にいるときの瞳孔の動きがどのように変化するのか、特に昼夜の時間帯による違いや加齢の影響を詳細に探察しています。
研究の方法と結果
研究では、若齢・中齢・高齢のマウスを対象に、明るい環境から暗い環境に移行する際の瞳孔の直径の変化を観察しました。結果、昼間の瞳孔収縮には比較的速い反応と遅れて出てくる反応が存在し、これらが夜間では老年マウスと若年または中年マウスで異なることが明らかになりました。この発見は、暗順応時の瞳孔反応が加齢や時間帯によってどのように影響を受けるかを理解する手助けとなります。
新たな視点の提案
特に注目すべき点は、加齢による瞳孔反応の時間的パターンの変化です。これまであまり研究されてこなかった「暗闇に適応する過程での瞳孔の時間的変化」を捉えたことは、今後の研究において新たな視点をもたらす可能性があります。特に、加齢の影響を受けることで、瞳孔反応がどのように変化するかを検討することが、加齢研究の進展に寄与することが期待されます。
医学的な側面
研究チームは、ドパミン系やコリン作動性神経系に作用する薬剤を使用して、これらの神経機構が瞳孔の時間的変化にいかに関与しているかを探りました。これによって、将来的には加齢に伴う視覚機能の低下や関連する疾患の理解が深まることが期待されます。
今後の影響
この研究成果は、従来の瞳孔機能評価において「瞳孔の大きさだけではなく、時間的変化を考察すること」がいかに重要かを示しています。加齢研究や日内リズムに関連する分野において、この新たな知見がどのように応用されるかが注目されます。加齢に伴う視覚の変化をより良く理解するための今後の研究への期待が高まります。
論文情報
論文名: Influence of Diurnal Rhythms and Aging on Pupil Size Changes During Dark Adaptation in Mice(和訳: マウスの暗順応中の瞳孔径変化に及ぼす日内リズムと加齢の影響)
著者名: Yoshinori Iba, Yohei Yamashita, Taiga Hasegawa, Takumi Masui, Hiroyuki Wada
掲載誌: Journal of Biological Rhythms
DOI: 10.1177/07487304261448251
公開日: 2026年5月20日(オンライン公開)