世界80以上の国と地域で活動し、200万人以上の会員を持つ自動車文化団体FIVA(国際クラシック車両連盟)が、自動車の歴史と文化に多大な貢献をした人物に贈る「FIVA Heritage Hall of Fame Award」の第3回贈呈式が、2024年11月1日に静岡県駿東郡小山町で開催されました。
今回の受賞者は9名。そのうちの一人である、故・山本健一氏への贈呈式が、FIVAの日本における唯一の公認団体であるCCCJと共催で行われました。
山本健一氏は、マツダの象徴であるロータリーエンジンの開発を指揮した人物として知られています。1963年からロータリーエンジンの実用化に尽力し、その革新的な技術の量産化を実現しました。また、1984年から1987年までマツダの社長を務め、その後会長に就任し、1992年に退任。2017年12月20日に95歳で逝去されました。
贈呈式では、故人の代理として、マツダ株式会社 取締役専務執行役員兼CTOの廣瀬一郎氏が賞を受け取りました。廣瀬氏は、故・山本健一氏の「FIVA自動車殿堂」受賞に際し、ご子息である山本世樹氏に代わり感謝の意を表明しました。
廣瀬氏は、山本氏の挑戦を受け継ぎ、地球環境への配慮を軸にした新たなロータリーエンジン開発への意気込みを語りました。また、山本氏の言葉である「技術開発には人間相互の信頼が不可欠」を引用し、今後も信頼に基づいた取り組みを続ける意志を表明。山本氏の革新的な精神と技術への情熱は、現在もマツダの企業文化として息づいていることを示しました。
スピーチの最後には、山本世樹氏からのメッセージが伝えられました。「父と母がこの受賞を心から喜んでいると思います。関係者の皆様に感謝いたします」。
贈呈式には、FIVA会長のTiddo Bresters氏やマツダ株式会社の役員など、関係者多数が出席しました。FIVAは、今後も自動車文化の継承と発展に貢献していくことを表明しました。