日本のスタートアップ、GSAPで新たな海外進出のチャンスを掴む
今年の6月18日、ジェトロ(日本貿易振興機構)が内閣府と連携し、スタートアップの海外展開を支援する「グローバル・スタートアップ・アクセラレーションプログラム(GSAP)」が始動しました。このプログラムは、日本のスタートアップが国際市場に進出するための実践的な支援を提供することを目的としており、これまでの成功事例を踏まえ、2025年度には新たに全国から50社のスタートアップが採用されました。
GSAPとは何か?
GSAPは、2021年にスタートし、これまでに500社以上の日系スタートアップを対象に支援を行ってきました。過去には、資金調達や販路開拓、大企業との提携など多くの成功事例が生まれ、スタートアップの国際展開に向けた基盤を築いてきました。
今回のプログラムには、DeepTechやAIの分野に注力する企業、製造業向けのプロダクトを開発する企業が多数参加しており、各企業はオンラインと現地プログラムに参加して支援を受けます。これにより、国際市場への展開を加速させる仕組みが整っています。
各コースの概要
1. Enterprise BtoBコース(連携:Alchemist X)
このコースはエンタープライズ市場をターゲットにしたスタートアップを支援します。参与企業は14億ドル以上の資金調達実績があり、「米国市場理解」「PoC・事業検証」「事業・顧客」の3フェーズで進められます。
2. AIコース(連携:StartX)
スタンフォード大学発のアクセラレーターによるこのコースでは、特にAI分野に焦点を当てたスタートアップが支援の対象となります。ユニコーン企業を多数輩出しており、非常に高名なプログラムです。
3. DeepTechコース(連携:Berkeley Skydeck)
このコースは、バークレー校のリソースを活用してDeepTechおよびバイオテクノロジー分野の企業を支援します。
4. Sustainabilityコース(連携:Third Derivative、New Energy Nexus)
気候変動に取り組む起業家や企業を支援するプログラムで、CO2削減に関連した投資を促進します。
5. ManufacturingTech&HardTechコース(連携:industry4.0)
製造業関連のスタートアップが対象のこのコースでは、質の高いメンターのネットワークと共に、製造業の革新を推進します。
プログラムの構成
GSAPのプログラムは、オンラインとオフラインを兼ね備えたハイブリッド形式で、3か月から6か月の期間が設けられています。参加企業には、戦略、マーケティング、資金調達等に関する講義があり、1対1のメンタリングやネットワーキングイベント、投資家向けのデモデイも予定されています。これにより、実践的な経験を通じて企業の成長をサポートします。
最後に
現在、79社のスタートアップがGSAPの支援を受けており、その中には新たに採用された50社も加わっています。今後ますますグローバルな舞台で活躍する企業が増えることが期待されます。GSAPは、日本のスタートアップの国際的な成長に大きな影響を与えることでしょう。
詳細や採択企業の情報は、ジェトロの公式サイトでご確認ください。