ペットボトルキャップの回収促進に向けた新たな試み「キャップ回収BOX」とは?
2024年9月20日、21日の2日間、近畿大学東大阪キャンパスで開催された「第2回プロト・フェス」では、画期的なプロトタイプが披露されました。それは、ペットボトルキャップのリサイクルを促進するために開発された「キャップ回収BOX」です。この取り組みは、近畿大学経営学部商学科の廣田章光教授のゼミと協力し、行動科学の観点から人々の意識変容を狙ったプロジェクトです。
キャップ回収BOXの概要
今回発表されたキャップ回収BOXは、先代の試みであった「第1回プロト・フェス」でのフィードバックをもとに、より効果的な回収方法を検討した結果生まれました。前回のイベントを経て、ペットボトルキャップの回収に対する興味を引くために様々な工夫が施されています。特に、来場者が投票を通じて、より魅力的な経験を持てるように設計されており、視覚的に見る投票数の表示も明確にすることで、参加意欲を高めています。
このBOXは、通常のようにペットボトルにキャップをつけたまま処分されてしまうのを防ぎ、意識的にキャップを外し、回収BOXに投げ込む行動を促します。世の中で毎日大量に生産されているペットボトルキャップが、再利用可能な資源として循環するための新たな仕組みを提供しているのです。
プロト・フェスについて
プロト・フェスは、斬新なアイデアを形にするためのプラットフォームです。近畿大学デザイン・クリエイティブ研究所が主催し、様々な背景を持つ人々が集まり、アイデアのプロトタイプを展示します。コンテスト形式ではなく、みんなでアイデアを評価し合うことで、革新が生まれる可能性を広げることを目指しています。
このイベントでは、「お風呂に入っている時にふと思いついたアイデア」や「評価が低かったアイデア」が実現するチャンスが与えられます。多様な人々による意見交換が、新たなイノベーションの源となるのです。
行動変容を促す共同研究
廣田教授のゼミでは、ペットボトルキャップの分別回収における人々の行動変化を促進するための研究を進めています。これはデザイン思考やマーケティング手法を活用し、具体的な行動につながるアイデアを模索するプロジェクトです。心理的要因から導線、形状、PR手法などの要素を組み合わせて、人がペットボトルキャップを分別する状況を生み出す手助けをしています。
近畿大学と連携するこの共同研究は、ただ単にキャップを回収するだけではなく、人々の意識を変えることを目指しています。ペットボトルキャップの回収を進めることで、浮かび上がるのは、持続可能な資源循環の重要性です。そして、その結果として求められるのが、サステナブルな社会の確立。この研究成果は、今後、地域社会や企業にも広がり、リサイクル活動のさらなる浸透へとつながることが期待されます。
結論
「キャップ回収BOX」は、一見シンプルなプロトタイプですが、その中には持続可能性に向けた深い意義が込められています。私たちが日常で容易に行える小さな行動の変化が、大きな環境保護につながるのです。今後の研究と実装がどう進化していくのか、続報が待たれます。