AIナレーターSmartbooksがオーディオブック市場での成長を加速させる理由とは
スマートブックス株式会社は、AIナレーターを活用したオーディオブックサービス「Smartbooks」を展開し、新たな読書体験を提供しています。東京都世田谷区に本社を構える同社は、2024年秋に株式会社富士山マガジンサービスやミレイズから約5000万円の資金を調達し、累計調達額は約1億円に達しました。この投資を通じて、同社は国内外での音声市場の強化を図り、特に新作ビジネス書を2ヵ月早くオーディオブックとして聴けるシステムを実現しています。
オーディオブック市場の拡大
近年、オーディオブック市場が急速に成長しています。2024年度には国内のオーディオブック市場が約260億円に達すると予測されています。また、米国では、オーディオブックの市場規模が2024年8月には7億710万ドルに達し、電子書籍を上回る成長を示しています。これに移り変わる読書のスタイルは、特にオンラインでの学びを求める人々にとって、ある種の新たな文化になりつつあります。
スマートブックスは、この市場の成長を背景に、出版社と連携し、より多くの書籍を音声化することを目指しています。特に、中高年層のリスキリングやオンラインによる学習者が増えていることから、同社のサービスが求められているのです。
AI技術を駆使した独自の読書体験
スマートブックスのサービス開発は、学生起業家の思いから始まりました。本をより多くの人に身近に感じてもらいたいという願いから、同社はAI技術を活用し、身体的な制約や国籍、言語の壁を超えて、多様な読者にアクセス可能なコンテンツを提供します。特に、独自のインターフェースで文字と音声を連動させ、より効果的に学びの機会を築いていくことを目指しています。
同社の経営陣もこの動きには自信を持っており、代表取締役の相内遍理は「Smartbooksの独特なUI/UXは新刊の音声化だけでなく、音声化されてこなかった過去の書籍を再発掘する可能性がある」とコメントしています。また、取締役の土井英司は「出版業界全体の低迷を打破し、新たな市場を開拓したい」と意気込みを語っています。
投資家たちの期待
このプロジェクトに対する投資家の期待も高まっており、富士山マガジンサービスの西野伸一郎社長は、相内氏の「ビジネスに対する情熱」に大きな魅力を感じているとし、AIテクノロジーによる市場へのインパクトを強調しました。さらに、MIRAISEの岩田真一も、創業者と経営者とのバトンタッチは理想的な形であり、両者の強みが融合することでさらなる成長を遂げると確信しています。
未来に向けた展望
スマートブックスは、単なるオーディオブックサービスに留まらず、ユーザーに新たな知識の吸収方法を提供することを目指しています。今後も急成長するオーディオブック市場の中で、リスキリングや生涯学習を支える存在として、さらなる発展と貢献が期待されます。読書が持つ価値を最大限に引き出し、多くの人に「学び」を届け続けることが、スマートブックスの使命と言えるでしょう。