国内最大級のAIエージェントカンファレンス開催
2025年7月9日から11日の3日間、国内最大級のAIエージェントカンファレンス「AI Agent Day 2025 Summer」が東京都内で開催されました。このイベントには、約5,600名が参加し、生成AI技術の社会実装に向けた知見の共有が行われました。主催は一般社団法人AICX協会、代表理事は小栗伸氏と小澤健祐氏です。
このカンファレンスでは、清水建設やライオン、セールスフォース・ジャパン、NVIDIAなど、多くの企業から41名の専門家が登壇し、AIエージェントの導入事例や技術、制度面での課題など、さまざまな視点からの議論が展開されました。また、参加者の95%以上が満足しているとのアンケート結果も、イベントの実践的な価値を示しています。
開催の背景と目的
AIエージェントの普及が進む一方で、実際の導入現場における課題や制度設計に関する情報は不足しています。AICX協会は、このカンファレンスを通じて、こうした現実に光を当て、業界横断的な知見の共有を促進することを目的としています。
「分断を超え、体験を変える」というテーマのもと、カンファレンスは顧客体験(CX)から従業員体験(EX)に至るまで、AIの影響について多角的に議論されました。参加者は自社の戦略に直接役立つ情報を持ち帰ることができるよう構成されており、実際に業務に役立つノウハウが提供されました。
多様な参加者の属性
カンファレンスには、IT/ソフトウェア業界が最も多く、全体の35%を占めるとともに、製造業やサービス業、教育機関など多岐にわたる業種からの参加がありました。企業規模では、1,000人以上の大企業が43%を占める一方、中小企業も26%を占め、AIエージェントの導入が広がりを見せています。特に一般社員から管理職、役員までさまざまな役職層が参加しており、AIの活用が企業戦略の重要なテーマとなっていることが感じられました。
アンケート結果と今後の展望
925件のアンケート回答から、参加者の54%が「生成AIツールを実際に使ってみる」と応答。社内勉強会の開催や自社導入プロジェクトの立ち上げについても関心が高く、主体的にAIを活用しようとする姿勢が読み取れます。しかし、約2割の参加者は具体的なアクションを予定しておらず、今後の支援策や情報提供の必要性が浮かび上がりました。
最大の懸念事項は「セキュリティ・プライバシー」であり、経済的な面やインフラ整備の重要性も示されています。法的な対応や従業員の不安といった非技術的な課題も多く、包括的なアプローチが必要です。
AICX協会の取り組み
一般社団法人AICX協会は、AIエージェントの社会実装を通じた顧客体験の革新を目指し、教育・研修プログラムの提供や業界標準の策定に取り組んでいます。今後も「AI Agent Day」を単なるイベントにとどまらず、持続的な学びの場として育てることで、AIリテラシーの向上を支援していきます。