古代魚が教える視覚
2024-10-17 11:31:32

古代魚が教えてくれる視覚の進化と光受容のメカニズム

【古代魚が教えてくれる視覚の進化と光受容のメカニズム】



最近の研究で、視覚のメカニズムにおける大きな発見がありました。ヒトを含む脊椎動物にとって、目から得られる情報は非常に重要ですが、その進化の過程は多様です。特に、特定の古代魚を通じて、魚類における光センサーの進化についての新たな洞察が明らかになりました。

この研究は、京都大学、甲南大学、岡山大学、奈良女子大学からなる研究チームによって行われました。チームのメンバーは、魚類が独自の光センサー、ロドプシンを利用しており、その特性が眼だけでなく脳でも機能していることに注目しました。具体的には、眼で使われるロドプシン遺伝子と、脳における視覚情報処理に利用されるロドプシン遺伝子との違いを探求しました。

研究チームは、比較的古くから存在する魚類である古代魚に特に焦点を当て、それらがどのように進化してきたのかを遡りました。約4億年前に遡る遺伝子の重複が新たなロドプシン遺伝子を生み出し、その結果、眼と脳の両方がそれぞれの役割を持つようになったことが発見されました。興味深いことに、古代魚はもともと眼で使われていたロドプシン遺伝子を脳でも利用し始め、さらに別の光センサーであるピノプシンの役割を代替する結果となったとされています。

こうした玉突き的な置換プロセスを探ることにより、魚類の視覚システムは非常に柔軟かつ適応性が高いことがわかります。この発見は、視覚だけでなく、他の感覚器官の進化の理解にも寄与する可能性があります。研究成果は、2024年10月8日付の国際学術誌『Cellular and Molecular Life Sciences』に掲載されました。

この研究は、文部科学省や日本医療研究開発機構などの助成を受けて進められたもので、光の特性を活用した生命機能の制御技術に関する研究にもつながっています。こうした進化の理解が、将来的な医療や生物科学の分野での新たな技術の開発に役立つことが期待されています。

さらに、この研究を通じて、多くの人々が古代魚に対する関心を持つきっかけとなればと考えています。任天堂の人気ゲーム「どうぶつの森」にも登場する古代魚たちは、視覚の進化の象徴とも言える存在であり、その神秘に迫る研究成果が楽しみです。

おわりに



ヒトの視覚情報処理メカニズムと比較することで、魚類の視覚の進化の過程を理解することは、非常に興味深い課題です。今後はこれらの知見をもとに、さらに深い研究が進むことを期待しています。このような研究が、未来の生物学や医学にどのように役立つのか、今後の進展にも注目が集まります。


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