米屋の廃業件数、3年ぶりに減少
2025年度に発生した「米屋」の休廃業・解散件数は75件となり、これが3年ぶりに減少しました。腰を据えて分析を行った株式会社帝国データバンクによる調査結果です。ただ、この減少は現実の経営状況を必ずしも反映してはいません。コメ価格の高止まりが現在の在庫を強化し、多くの米屋が一時的な利益を得ていることが影響していると考えられます。
前年度との比較
前年度には82件の廃業が記録されていたため、今回の件数はわずかに改善を示しています。しかし、背景には新型コロナウイルスの影響や異常気象、さらには消費者の買いだめなど、米屋の経営を取り巻く厳しい環境があることも無視できません。
2024年に入ってからは「令和のコメ騒動」と呼ばれ、深刻な品薄状態に見舞われたことが印象に残りました。このため、米屋の中には初期段階で十分な販売量を確保できなかったために、廃業を余儀なくされたケースが多く見られました。
新米の流通の影響
2024年の秋以降、新米が徐々に流通し始めましたが、スーパーなどの量販店では引き続き販売数量の制限が続いていました。このため、確実にコメを買いたい消費者や外食業者が独自ルートを持つ米屋に流れ込む事態が発生しました。特に、流通において在庫を持つ米屋は、品薄と高値の影響を受け、大きな利益を上げています。古米や在庫米の販売単価は劇的に上昇し、米屋の経営が黒字に転じる原因となりました。
ミニマムアクセス米などの輸入米の販売も好調であり、これが資金繰りに悩む米屋の存続を助けました。
増益の現状
2025年度における米屋の損益状況を見てみると、4月時点で8割の企業が前年度から「増益」を報告しています。これは過去20年の中で最大の増益率となり、「赤字」の企業比率も初めて1割を切りました。営業利益率も大幅に改善し、約240社の平均で約5.0%になりました。おおよそ標準的と言われる水準に到達し、米屋の経営環境は一時的に改善したと評価されています。
今後の展望とリスク
しかし、この一時的な増益により米屋の経営が改善したとは言い難い部分もあります。最近の価格高騰が純粋に経営努力から生まれた利益ではないため、今後の市況の変動には注意が必要です。
高止まりするコメ価格に嫌気を感じる消費者層の「コメ離れ」が顕在化する中、順調な収穫を遂げた令和7年度産米の市場供給も影響を与え、このままでは「コメ余り」となってしまう可能性もあります。これらの要素が絡み合うことで、高値で買い集めた在庫がダブつき始め、市場価格が正常化されるとともに、値下げを余儀なくされる「逆ザヤ」リスクが拡大しています。
今後、2026年度において再び米屋の廃業が増加するという懸念が高まってくると予想されます。米屋にとっての厳しい運命を見届けることになるかもしれません。