不登校は子どもの問題でない
不登校という現象は、子ども自身に問題があると捉えられがちですが、実はそれは大人や社会の側に原因があると考えられています。この考え方を基に立ち上がったのが「トーキョーコーヒー」です。これが成し遂げようとしているのは、大人と子どもが共に安心して楽しめる居場所を全国に創出し、教育についての新たな対話を促進することです。
トーキョーコーヒーとは何か?
「トーキョーコーヒー」は、2022年8月8日にスタートしたプロジェクトで、その名前は「登校拒否」の言葉のアナグラムから生まれました。「世界一たのしい教育革命」として広がるこのムーブメントでは、大人が楽しむことを通じて教育システムを進化させることを目指しています。全国に設置された約415ヶ所の拠点では、大人たちが興味を持つ活動に夢中になり、それが子どもたちに安心感を与え、自己肯定感や意欲の復活につながる仕組みです。
大人の影響力
子どもたちの自然な居場所とは、大人たちが笑顔でいる環境があってこそ成り立ちます。不登校問題を解決するためには、まず大人自身の意識を変える必要があります。多くの不登校対策が子どもへの支援に偏りがちですが、「トーキョーコーヒー」はこのアプローチを見直し、大人のケアが不可欠であると主張しています。悩む大人の背中を見て育つ子どもたちは、自らが「支援対象者」として扱われることで、時に自己肯定感を損ねることもあります。
このため、プロジェクトでは「大人のための居場所」を重視し、不登校の課題を根本から解決する新たなアプローチを展開しています。大人の意識が変わることで、子どもたちにとっても本質的な居場所が形成されていくのです。
活動の実績
立ち上げから約3年間で、さまざまな実績が積み重ねられ、「キッズデザイン協議会会長賞」の受賞につながりました。具体的には以下のような成果が挙げられます:
- - 各都道府県に1つ以上の拠点を設立(合計415拠点)
- - 参加者数はのべ29,000人以上
- - 先々のカンファレンスには、のべ857人が参加
- - オンラインサロンを31回開催、月平均100名の参加者
- - メタバース空間「トーキョーコーヒーラテ」の運営開始(24年4月より)
この他、大阪府内の小学校での活動が出席扱いになるなど、地域との連携も進んでいます。代表の吉田田タカシの活動は、教育関係者の間でも注目されています。
アトリエe.f.t.の役割
「トーキョーコーヒー」を運営するアトリエe.f.t.は1998年に設立され、大阪上本町校と奈良生駒校に通う学生たちが集う場所です。「つくるを通していきるを学ぶ」を基本方針に掲げ、子どもから大人までのメンバーが参加しています。この団体の活動は、教育だけに留まらず社会全体への貢献も目指しています。アートやデザインを通じた創造的な体験を提供し、豊かな人生を切り拓くスキルを育むことに力を入れているのです。
「トーキョーコーヒー」は、これからも日本の教育を変える力を持つプロジェクトとして、進化し続けることでしょう。