沖縄県名護市に新たなリハビリテーションルームが誕生
沖縄県名護市に位置するネオパークオキナワ(名護自然動植物公園株式会社)は、特に希少な国の特別天然記念物「ノグチゲラ」のためのリハビリテーションルームを新たに開設しました。この施設の最初のお披露目は、令和7年10月24日に行われ、多くの関係者が参加しました。
ノグチゲラは、やんばるの豊かな自然環境で生息しており、その繁殖が近年確認されています。しかし、開発や外来種の影響により、その生息数は減少しています。そこで、ネオパークオキナワが立ち上げたリハビリテーション施設は、こうした希少種の保全活動を一助するものとなることが期待されています。
日本で初の試み
このリハビリテーションの取り組みは、日本初の試みであり、特に注目されています。施設は、完璧な観察環境を提供するために、ガラスがマジックミラー仕様になっており、リハビリ中のノグチゲラがストレスを感じずに訓練できるよう配慮されています。
飼育されているノグチゲラの雄は、トレードマークである赤い頭を持ち、全長は約15~20センチ、体重は約400グラムとされています。このリハビリルームでは、国頭村森林組合が提供したイタジイの木を使用した食事が観察できる他、療養中の様子も間近で観ることができます。
共同の努力で実現した施設
ネオパークオキナワがこのプロジェクトを実行することができたのは、複数の関係機関との連携によるものであり、「どうぶつたちの病院沖縄」との協力も重要な役割を果たしています。特にリハビリテーションにおいては、治療を受けているノグチゲラがどういう状況にあるのか、そしてどのような回復を目指しているのかを一緒に考えられる場になっています。
リハビリのプロセスには、肉体的な回復ばかりでなく、精神的な成長も重要視されており、ノグチゲラが飛ぶことができる距離や負傷した部分の治癒状況によって、今後やんばるの森への野生復帰を目指していきます。
太平電機の支援
また、リハビリテーションルームには、バードストライクを防ぐ効果が期待されるカナダ製の「バードアタラズ」が設置され、鳥たちの安全も配慮されています。これは太平電機ECOひいきプロジェクトからの協力によるもので、地域の自然を守るための取り組みが重要視されています。
ノグチゲラの生息環境と保全活動
ノグチゲラは、日本の山地の照葉樹林に生息しており、特にスダジイやタブノキが主要な生育環境となっています。しかし、開発による生息地の破壊や、外来種による捕食が懸念されている中、1972年に天然記念物に指定され、現在では特別天然記念物及び国内希少野生動植物種に認識されています。保全活動はこれからも重要な課題であり、地域の人々との連携も不可欠です。
このように、ネオパークオキナワのリハビリテーションルームは、ノグチゲラの未来を守るための重要な一歩となるでしょう。沖縄の自然をバックに、多くの人々がこの取り組みに関心を持ち、参加してくれることを期待しています。