世界が注目する「糸」の魅力とは
京都・丹後産地の伝統的な布づくりを支える「糸」にスポットを当てた書籍『KYOTO ITOITO Exploring Tango Threads(京都いといと 理想の糸を求めて)』が、2026年7月30日に発売される。この書籍は、テキスタイルデザイナーの須藤玲子とデザインスタジオwe+のコラボレーションによって制作され、伝統と革新が融合した丹後の布づくりについて深く探求していく。
本書では、2023年に京都と東京で開催された展覧会に基づき、さらなる解説や写真家・林雅之による新たなビジュアルを加え、テキスタイル文化の奥深さを味わえるビジュアルブックに仕立てられている。これにより、特に「糸」に注目し、その技術的背景や生産過程を読者に伝えることで、その凄みを一層引き立てる。
丹後の織物産地で育まれた「糸」の多様性
長い歴史を持つ京都・丹後地区は、日本の布文化の要となっており、西陣織や友禅染の根幹を形成してきた。これまでも丹後産地で扱われてきた糸の種類は多岐にわたり、シルク、ウール、綿、麻などはもちろん、最近では金属や貝殻といった新素材も使用されている。それぞれの素材が一本の糸として集約され、織物へと生まれ変わる過程は、一つのアートといえるだろう。
本書を通じて、丹後の糸の魅力や伝統技術に秘められた未来への可能性を読み解くことができる。特に、服飾文化における自然との共存や地域社会との連携を考察することで、丹後の布づくりの次なる方向性を提案する。
書籍の特徴と見どころ
本書は、以下のような主要コンテンツを含んでいる。
1.
須藤玲子の技術解説: 京都・丹後の糸に関する伝統技術と革新についての解説を通じて、普段は見ることの少ない貴重な糸の写真やその技術的背景が紹介されている。
2.
we+による「糸を巡る旅」のルポルタージュ: このコンテンポラリーデザインスタジオが、丹後の織物メーカーを取材し、生産現場の熱を伝えるフォトエッセイを収録している。これにより、現地の息遣いを感じることができる。
3.
林雅之の高解像度ビジュアル: 繊細な糸や布のテクスチャーを驚異的な解像度で捉えた作品が本書の魅力を高め、視覚的なインパクトを与える。
4.
触覚を呼び覚ます装丁: デザイナー庄司竜郎による装丁は、紙の質感や手触りにも配慮され、視覚だけではない体験を提供。
5.
全文日英併記: 翻訳家の川上純子による日英併記は、国内外の書籍としての完成度を高め、幅広い読者層にリーチすることを目指している。
目次の紹介
本書の目次も興味深い。序文やwe+の丹後リサーチプロジェクト、複雑な撚糸の世界、各社プロフィール、そして「丹後織物の未来」といった内容が含まれており、非常に充実した構成だ。
この書籍は、デザインや工芸愛好家、さらには日常的に布に触れている人々にとっても、豊かなインスピレーションを与えることだろう。発売に先駆け、全国の書店での予約が開始されているので、ぜひ手に取ってほしい一冊だ。
最後に
『KYOTO ITOITO Exploring Tango Threads』は、ただの書籍ではなく、丹後産地の布文化や技術が持つ魅力を再発見するための旅へと誘う。いかに繊細で美しい糸が生まれ、どのように世界に受け入れられているのか。本書を通じて、その答えを探してみてはいかがだろうか。