TOTO、衛生陶器製造における水素混焼を開始
福岡県北九州市に本社を置くTOTO株式会社は、2026年1月8日からグループ会社のTOTOサニテクノ小倉工場で衛生陶器の焼成工程において新しい水素混焼技術を導入することを発表しました。これにより、従来の燃料に加えて、CO2を排出しない「グリーン水素」と都市ガスを混ぜて焼成することで、環境への負担を大幅に削減することを目指しています。
この取り組みは、2023年から始まった水素実用化の検証を経ており、2024年2月には水素試験窯を導入。その後、2025年には水素発生装置を設置し、再生可能エネルギーを用いてグリーン水素を製造。実験を繰り返し行った結果、水素混焼技術の確立に成功し、2026年1月から実際の商品に対して体積比約20%の水素混焼を実施する運びとなりました。
TOTOの衛生陶器製造工程では、CO2排出の約75%が焼成工程に由来しているため、今回の水素混焼導入により年間約140トン(相当7%)のCO2排出削減を実現します。これにより、TOTOは持続可能な製造プロセスの確立を図り、環境への配慮を一層強めています。
TOTOはまた、CO2排出削減の目標について国際的な基準であるSBTイニシアチブに基づく認定を受けており、2024年3月には目標を1.5℃の水準に引き上げました。この新しい水素を基盤とする製造方式は、経済的な価値を持ちながらも同時に社会的および環境的価値の向上を目指しており、持続可能な社会及びカーボンニュートラルの実現に貢献します。
歴史的な取り組み
TOTOサニテクノ小倉工場では、1917年の創業時には石炭を燃料として使用していました。その後、環境への配慮から2007年に都市ガスに転換し、さらに2022年には高度な断熱性能を有するファイバー窯を導入して、40%ものCO2排出量削減を果たしました。このように、TOTOは創立以来、持続可能性を重視した燃料転換を継続して行ってきました。
今後は水素混焼率をさらに向上させることや、他の製造拠点への展開も視野に入れた取り組みを検討しています。製造における環境負荷を低減しつつ、安定した供給体制を構築することで、変化する外部環境にも対応できる強固な生産システムを確立することが目標です。
さらに、2025年4月に開始されるグリーン水素発生装置による新しい水素製造は、北九州市から「低炭素水素認証」の第一号として認定を受けるなど、地域社会とも調和した持続可能な製造を進めていく予定です。
TOTOの水素混焼技術は、単に環境に対する配慮のみならず、将来的な経済的可能性も考慮した革新的な試みです。これからの製造業がどのように環境負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に寄与できるか、その一例としてTOTOのプロジェクトは他企業にも影響を与える存在になるでしょう。