2024年クレジットカード顧客満足度調査結果
株式会社J.D.パワーが発表した2024年のクレジットカード顧客満足度調査では、特にプレミアム部門の顧客満足度が大幅に向上したことが明らかになりました。この調査は、日本国内で発行されるクレジットカードのユーザーを対象に、サービスや年会費に関する満足度を評価したものです。調査は年に一度実施され、年々その結果が注目されています。
プレミアム部門の顕著な満足度向上
調査結果によると、プレミアム部門では前年に比べて15ポイントの向上が見られ、満足度が683ポイントに達しました。この部門は、年会費が2万円以上で、国際ブランドのカードを対象としています。具体的な要因として、「クレジット機能」や「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」が挙げられ、それぞれの評価が10ポイント以上の向上を記録しました。特に「ポイントの貯まりやすさ」や「キャンペーンの充実度」が評価を押し上げたようです。
一方、ハイステータス部門では、満足度が6ポイント低下し671ポイントとなり、特に「ポイントプログラム」と「会員向けサービス/特典」の評価が悪化しました。こちらは年会費1万円以上のカードが対象で、主に高レベルのサービスを求める顧客層が利用しています。
タッチ決済の影響
近年、タッチ決済の普及が進んでいますが、この利用経験がある顧客は、ない顧客に比べて高い満足度を示すことが調査で確認されました。特に、若年層や頻繁にクレジットカードを利用する顧客のロイヤルティが高く、タッチ決済利用者は主に利用カードの継続や増額の意向も強いことが分かりました。しかし、タッチ決済が未対応のカードや店舗も多く、今後の普及に向けた努力が求められています。
J.D.パワーのコメント
J.D.パワーのグローバル・ビジネス・インテリジェンス部門の常務執行役員である梅澤希一氏は、「全体の満足度には部門ごとのばらつきがあるが、物価上昇に伴い、クレジットカード利用者の支出抑制の意識が影響している」とコメントしています。今後の実質賃金が上昇することが期待される中、カード会社はさらにサービスや特典の強化に努める必要があります。
総合満足度ランキング
2024年の顧客満足度ランキングも発表されました。プレミアム部門で第一位はアメリカン・エキスプレス、続いてJCBカード、ダイナースクラブカードが続きます。ハイステータス部門ではエポスカードが3年連続の1位に輝きました。スタンダード部門でのエポスカードの優位性も目立ちます。この競争の激しいクレジットカード市場において、顧客の期待に応えるサービスの提供がカギとなるでしょう。
まとめ
2024年のJ.D.パワーによる調査結果は、顧客満足度の向上が見られる一方、部門ごとの満足度の違いも浮き彫りにしました。特にプレミアム部門の成長は顕著であり、タッチ決済の普及が今後の満足度向上に寄与する可能性があります。顧客のニーズに応えるサービスの充実も、今後のクレジットカード業界の大きな焦点となるでしょう。