逸見祥希の新たな視点を提示する展示
写真家・逸見祥希氏が、再生可能エネルギーに関する自身の視点をプロジェクトとして発表する展示、「光さす杜の声を聴く」が、2024年11月14日から12月16日まで東京都港区にあるキヤノン S タワー1階のキヤノンギャラリー Sで開催されます。この企画展は、2023年に行われた第1回の写真・映像作家発掘オーディション「GRAPHGATE」においてグランプリを受賞した逸見氏によるもので、地域の環境とエネルギー発展について考える意味のある作品が展示されます。
展示の背景
逸見氏は青森県六戸町を故郷とし、そこでの太陽光発電の発展を通じて複雑な感情を抱いています。エネルギーの持続可能性と土地の喪失に対する葛藤は、彼の写真の根底にあります。彼が太陽光発電に関連する風景を撮影し始めたのは、2020年ごろからで、現在は日照時間が長い山梨県北杜市を中心にフィールドワークとして続けています。展示作品には、北杜市に設置された太陽光パネルの景観を写した作品9点と、太陽光パネルを真上から捉えた作品35点が含まれ、これらは地理座標をイメージして配置されます。
作品の内容
作品は美しさのみならず、その地域が抱える社会問題にも焦点を当てています。観賞者は、展示を通じて逸見氏が向き合う様々な問題について考察し、写真が持つ情報発信力とそれに伴う責任を感じる機会となるでしょう。作品はすべて、キヤノンのプリンター「imagePROGRAF PRO-4000」で印刷されています。この技術によって、色彩や質感が生き生きと表現されています。
ギャラリートーク
展示中には、特別イベントとしてギャラリートークも開催されます。専門家や著名人をゲストに招いたトークセッションは、以下の日程で行われます。参加は無料ですが、定員を超えた場合には入場制限がかかることがありますので、早めの参加をお勧めします。
- - ギャラリートーク① 2024年11月16日(土)14:00~15:00
ゲスト: キャスター・ジャーナリスト 長野智子氏
会場: キヤノン S タワー1階 キヤノンギャラリーS
- - ギャラリートーク② 2024年12月7日(土)14:00~15:00
ゲスト: 写真家 GOTO AKI氏
- - ギャラリートーク③ 2024年12月14日(土)14:00~15:00
ゲスト: 早稲田大学教授 佐藤洋一氏
作品創作の意義
逸見氏は、気候変動の影響を直視し、人間の活動がもたらした問題について自らの作品を通じて警鐘を鳴らしています。彼はこう述べます。「太陽光発電は気候変動に対する解決策のひとつであるが、同時に地域での対立も生む。人々がそれに納得できず、疑問を持っているのも事実である。私もその中の一人だ。しかし、未来のためには受け入れる必要がある。」このような思いを込め、彼の写真は地球環境への視点を広げる力を持っています。
逸見氏のプロフィール
逸見祥希氏は1994年に青森県三沢市に生まれ、早稲田大学大学院で社会科学を学びました。現在も大学の博士課程に在籍し、環境社会学や社会デザインの分野で研究を進めています。彼のテーマである「エネルギー開発との共生」に基づき、実家周辺の太陽光発電の発展を観察しています。
この特別な展覧会は、美しい写真を通じて再生可能エネルギーの重要性についての対話を促す機会となるでしょう。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。