未来を育むカブトエビ農法
福島県矢吹町。この地では、2007年から東京農業大学との連携のもと、カブトエビを活用した新しい農業の形が芽生えました。この活動は「田んぼの学校」と名付けられ、地域の子どもたちと大学生が協力し、田んぼでの田植えや稲刈りを通じて環境教育が行われています。
カブトエビの不思議
カブトエビは恐竜が生きていた時代からほとんど姿を変えずに生き残ってきた「生きた化石」として知られています。主に水田に生息し、雑草の新芽を食べることで自然の生態系に貢献しています。また、カブトエビの存在は水質が良好であることの証でもあり、カブトエビが生息できる環境を保つためには農薬の使用を極力抑える必要があります。
最近では、田んぼにカブトエビの定着が確認され、矢吹町独自のお米、「カブトエビと育むやぶきのお米」として収穫されるようになりました。このお米は、環境に優しい農法で育てられ、地域の特産品として大切にされています。2025年10月15日にはこのお米の披露会が田んぼの学校の開会式で行われる予定です。
環境に優しいカブトエビ農法
カブトエビ農法にはいくつかの特徴があります。まず、カブトエビの卵は極限環境に耐えられるため、雑草の新芽を食べるだけでなく、泥を掘り起こすことで水を濁らせ、雑草の光合成を阻害します。この仕組みが自然の農業を可能にするのです。そして、田んぼの学校では、カブトエビを使った有機農法の実践を続けており、毎年多くの子どもたちが参加しています。
子どもたちの成長と地域の絆
田んぼの学校では、校長としてタレントの大桃美代子さんが地域の子どもたちと交流しながら、農業の大切さを教えています。また、特別講師にはヤマザキ動物看護大学教授の長島孝行さんが参加し、カブトエビを用いた有機農法について教えるなど、地域の皆が協力して次世代に環境への配慮を伝える活動が行われています。
三鷹の森フェスティバル2025
矢吹町は東京都三鷹市と1964年より姉妹都市として交流を深めており、2025年には井の頭恩賜公園で開催される「三鷹の森フェスティバル」に出展予定です。ここでは、地域の新鮮な農産物やオリジナルの加工品が販売されるほか、「カブトエビと育むやぶきのお米」も手に入れることができます。地域の魅力を発信する貴重な機会ですので、ぜひ足を運んでみてください。
イベントの詳細は以下の通りです。
- - 日程: 2025年10月12日(日)10:30~17:00(小雨決行)
- - 場所: 井の頭恩賜公園西園文化交流広場
- - 入場: 無料
- - 主催: みたか都市観光協会
矢吹町の新たなお米「カブトエビと育むやぶきのお米」。この農法が未来の環境保護にどのように貢献していくのか、今後の展開が楽しみです。地域の新しい取り組みに注目し、ぜひその魅力を感じに来てください。